自治体の職員などへの威圧的な言動が問題となっている自民党の長谷川岳参院議員53歳が、29日午後、会見を開き、参議院の地方創生・デジタル特別委員会の委員長を辞任すると発表しました。議員辞職はしないということです。

 長谷川議員の威圧的言動をめぐっては、28日、北海道が幹部職員に対する調査結果を公表し、幹部職員のおよそ3割にあたる23人が昨年度、長谷川氏から「威圧的な言動を受けた」または「同席者に対する威圧的な言動があった」と回答していました。

 また道議会議員を対象に行った調査について、27日、自民党道連会長の中村裕之・衆議院議員が下記の3件を明らかにていました。

・2022年の丘珠空港の活性化を目指す「丘珠研究会」で、シンポジウム開催を威圧して中止に追い込む
・2022年の参議院選挙で、自民党の他の候補者を支援する道議に圧力
・道議会の議会運営に関し、強い圧力

 中村会長は「具体的な言葉は、あまりはっきりはしていないが『今後、あなた(道議)とは付き合えないよ』とか『あなた(道議)の支援者に対しても、もう、応援しないようにって話するからね』などの発言をされた」と説明しています。

 自民党道連は、これらの報告内容を精査した上で、長谷川議員から事情を聴く方針です。

 こうした“威圧的言動”の問題について長谷川議員は、これまでの取材や国政報告会などで「やはり、どこかで、自分の『ありがとうございます』『失礼します』という謙虚な気持ちが欠落していたのではないか」などと謝罪。

 さらに「表現方法に無自覚であったことを非常に恥じています。全面的に自分自身の表現方法を変え、変えてゆく」とし、議員辞職については「当然ながら、地域活動を全身全霊で、地域のために活動してまいります」と、その考えがないことを強調しています。

◆国の予算成立時の北海道の対応

・「計画推進課」が各部署に御礼連絡するよう、何度もメール
・部長職は上空の機内でも、Wi‐Fiが使える場合は成立時に即
・Wi‐Fiが使えない場合は、空港到着時に即
・補正予算の成立時、政府予算案の閣議決定時も

◆副知事含む北海道幹部4人の出張

・昨年度で62回、費用は約518万円
・長谷川氏だけに会うためは15回、約110万円
・会議に出席するよう言われて行っても、本人不在ケースあり
・前日の夕方「明日の午前9時に来るように」の急な指示も

◆参議院の特別委員長就任時、長谷川議員にだけ祝電メール取りまとめ

◆札幌市の出張
・2023年度、長谷川議員とのを面談を含む出張は284回、費用は約2000万円
・次に多い国会議員は23回
・長谷川議員とだけ面談のためは72回、約465万円

◆ある自治体職員の証言

・役職につくと、必ず東京都まで出向いて直接挨拶の“面通し”習慣化
・東京都まで出向いても、1分も会わずに「今日は、いい」の対応も
・いわゆる“出禁”になった職員は、少なくても5人
・すべて長谷川氏のペースでなければ、物事が進まない
・自治体のトップ、幹部は、これまで“黙認”

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