22年に新潟県の県北地域を襲った豪雨で土石流が発生したにも拘わらず、1人の犠牲者も出さなかった村上市の小岩内集落の奇跡の避難を描く絵本を専門学校生が作成しています。28日、絵本を作成する生徒が集落を訪れ、当時の状況や過去の災害の教訓を住民から聞きました。

【小岩内集落 松本一男 区長】「この地区にとっては教訓的な出来事で、みんなに伝えていきたいと思いますけど、これを本にしていただけるのはありがたい。よろしくお願いします」

小岩内集落を訪れたのは新潟デザイン専門学校の生徒です。村上氏は県北豪雨の教訓を後世に残すため、小岩内集落の経験を題材にした絵本の制作を専門学校の生徒に依頼していて今年4月から活動を行っています。

22年8月、県北地域を中心に襲った集中豪雨。小岩内集落では土石流が発生し住宅6棟が全壊しましたが、住民全員が迅速に避難し犠牲者は1人も出ませんでした。

3回目となる絵本の打ち合わせで生徒が初めて集落を訪れました。

【小岩内集落 松本佐一 元区長】「奥の方に砂防ダムが見えるが、あの間を流木が、長い木が流れてきた」

当時の区長らが土石流が迫った状況や集落の被害を説明しながら案内。生徒は「奇跡の避難」の背景にある過去の災害の経験などの説明に真剣に耳を傾けていました。

【絵本を制作する生徒は】「絵本を作るうえで、登場人物の心情や気持ちを出したい。その時何が一番気持ち強かったか教えてほしい」

【住民は】「ああ、どうしようどうしようくらいでさ、家が流されるなんて全然思わなくて」
【小岩内集落 松本佐一 元区長】「朝、歩いて公会堂の前に立った時は、安否は全然わからなかったので、歩きながら何人の人が亡くなったんだろうと、それしか頭になかった。全員無事だと聞いときはまず良かったと」

【絵本を制作する生徒は】「災害の怖さなどのネガティブ要素も入れつつ、全体的にはポジティブな印象にして、次の世代に語り継がれるような絵本にしたいと考えています」

絵本は来月から本格的に制作が始まり秋ごろの完成を目指すということです。

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