26日(日)午前9時に発生した台風1号(イーウィニャ)。風速15m以上の「強風域」は、直径は220キロで、コンパクトな台風です。28日(火)~29日(水)は強い勢力のまま、北東へ進む見込みです。

30日(木)以降、発達のピークは越えますが、それでも台風として東日本にかなり接近してくる恐れがあります。

予報円の最も北側のルートを通れば、関東などに接近し、風が強まる可能性がありますが、コンパクトな台風なので真ん中から南側のルートを通れば、ほとんど影響はないとみられます。

しかし、湿った空気を南の方から送り込んでくるため、大雨に関しては28日から影響が出てくる恐れがあります。

1時間に50ミリの雨が降れば…傘は役に立たない

東海地方では、雨は降ったり止んだりを繰り返し、28日の明け方、午前6時には広い範囲で本降りの雨。活発な雨雲はまだ一部と見ていますが、傘をさしても足元が濡れてしまうくらいの雨は降りそうです。

お昼ごろにかけては、三重県南部や愛知県東三河地域で、雨脚が強まる恐れがあり
ます。ただここで雨のピークとは言えません。午後3時~午後6時ごろは、活発な雨雲が東海3県各地にかかります。

雷を伴って1時間に50ミリ前後の滝のような非常に激しい雨が降る恐れがあります。雨のピークは午後6時以降もしばらく続きますが、夜遅くなると上がってくる予想です。

1時間に50ミリ前後の雨が降れば、傘は役に立ちません。そして、あたり一面が白っぽくなって視界が悪くなります。また、道路が冠水してくる恐れもありますので、車の運転も危険になるほどです。

去年もちょうどこの時期に大雨に見舞われました。去年6月2日、愛知県豊橋市では、1日だけで418ミリもの雨が降りました。これは6月1か月間に降る平年雨量の2倍以上です。これが1日で降ったので道路が冠水、そして車も立ち往生。

豊川市では広い範囲で冠水し、土砂崩れも相次ぎました。今回の台風1号は、ここまでの雨ではないと見ています。

去年6月2日の天気図と比べてみます。本州付近に梅雨前線があり、この前線に向かって沖縄や奄美地方付近にあった台風2号が、湿った空気を大量に送り込んできました。

今回も、梅雨前線はあるものの、台風の近くにはありません。フィリピン東でかなり遠くにあり、湿った空気の流れ込みも、去年ほどではありませんが、遠くからポンプのようにして熱帯由来の空気を送り込んでくるので、前線の活動は活発化する見通しです。

27日午後6時から28日午後6時までの24時間予想雨量では、愛知県で200ミリ、岐阜県と三重県では180ミリで、その後も雨が降り、さらに雨量が増える見通し
です。

今年一番の大雨になるかと思うので、早めの行動を行ってください。

「排水口の掃除」「断水に備え水の確保」など備えを

台風・大雨への備えです。きょう(27日)中に準備をお願いします。

まずは側溝や排水口を掃除して水はけを良くしておいてください。そして、断水に備えて水の確保をしてください。飲料水と生活用水で合わせて、1日1人3Lは必要と言われています。

また非常用品の確認も重要です。懐中電灯などが入っているか、電池が切れていないかも確認するようにしてください。

そして、避難経路や、もし家族とはぐれてしまった場合に、家族との連絡方法をどのように取るのかも確認するようにしていただきたいと思います。

(気象予報士:桜沢信司)

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