ゴキブリやハチ、ネズミなどを駆除してもらう「害虫・害獣駆除サービス」の相談がここ数年増加していて、国民生活センターが注意を呼び掛けています。
こうしたなか、ゴキブリ対策のプロは、今の時期に対策を行うことで夏にゴキブリと遭遇する確率を減らすことができると、早めの対策を呼びかけています。
例えば、これからの時期に活動が活発になるゴキブリの場合、どんなトラブルが発生しているのでしょうか?
【20代女性のケース】
深夜、アパートにゴキブリが…
女性は「およそ500円~駆除」というネット広告を見つけ、業者に電話したところ「料金は1万円くらいになる」と言われましたが依頼しました。
しかし、訪れた作業員からはおよそ10万円の見積書と契約書を渡され、女性は戸惑いを感じながらも支払いました。
【30代女性のケース】
深夜、自宅ベッドにゴキブリが…
女性は「基本料金約500円追加料金なし」というサイトを見つけ電話すると、「基本料金はおよそ5000円」と言われました。
少し不審に思いながらも駆除を依頼すると…
業者「ゴキブリの卵もありました。このまま放置すると増えるので徹底的にやったほうがいいです。総額は15万円くらいになります」
女性は高額を理由に断りましたが、なかなか聞き入れてもらえず、結果7万円を請求されるはめになりました。
ゴキブリの駆除サービスに関する相談は2023年度に急増し、2022年度に比べて3倍近くにあたる611件。特に若い世代の相談が増えているということです。
国民生活センターは、極端に安い価格を表示するサイトや広告には注意すること、複数見積もりを取って比較・検討することなどを呼び掛けています。
そして、こうした相談は例年6月ごろから増加し、7~9月にピークとなる傾向が見られます。
まさにこれからの時期に注意が必要ですが、いま対策を強化することで夏にゴキブリと遭遇する確率をぐっと減らすことができるといいます。
どんな対策が有効なのでしょうか?
話を聞いたのは、ゴキブリ対策のプロアース製薬の有吉さんです。
アース製薬 生物飼育のマイスター 有吉立さん
「一番にしていただきたいことは、家の中にゴキブリを入れないことなんです。いまの時期の幼虫を家の中に入れないことが一番、ゴキブリを夏に見ない方法にはなると思います。
家の中に入ってくるクロゴキブリは、大体野外で越冬しています。中には低温すぎて、厳しい寒さが続くと死んでしまう個体もいるんですが、暖冬になると生き残る個体の方が多くはなるかと思います。なので今、休眠から目覚めた、越冬した幼虫は多いと考えられます」
いまの時期に行うゴキブリ予防が夏に功を奏する。
一体どういうことなのでしょうか。
アース製薬 生物飼育のマイスター 有吉立さん
「クロゴキブリは、基本は幼虫や卵で越冬しています。それが、3月、4月、ちょっと暖かくなってきたら目覚めて活動を始めます。なので今の時期見るゴキブリは、大体幼虫が多いです。幼虫の時は、エサやすみかを求めて家の中に入ってこようとします。そして、成虫になったゴキブリは、早ければ初夏、大体夏頃から秋ぐらいにかけて卵を産み始めます。
クロゴキブリの場合、卵の鞘(さや)と書いて、卵鞘(らんしょう)で産むんですが、その卵鞘の中には、平均24個の卵が詰まっていまして、生涯の間、夏に大体20個ぐらいを産みます。全て生き残るというわけではないですが、かなりの数が出てくることになります」
一匹のクロゴキブリがひと夏に産む卵の数はおよそ500個とも言われていて、繁殖力が非常に強いといいます。
今の時期、幼虫を家に入れないためにはどういった対策が必要なのでしょうか。
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