鳥取県文化振興財団がプロデュースし、鳥取市で上演される新作バレエ「赤毛のアン」。
本番まで約5か月。
配役も決定しいよいよ振付練習も始まりました。
どんな舞台に仕上がっていくのか?取材班が練習に潜入です。
主人公・アンの成長を描く不朽の名作「赤毛のアン」。
今年10月、日本初、バレエ作品として、オーケストラの生演奏とともに鳥取市で上演されます。
ストーリーは、孤児院にいた赤い髪の毛の少女アン・シャーリーが、引き取られ一緒に暮らすことになった農夫の男性とその妹、そして、学校の同級生たちとたびたびもめ事を起こしながらも絆を深めていき成長していく姿を描きます。
アン・シャーリー役にはK‐BALLET TOKYOの小林美奈さん。
そして、アンの同級生で学校の人気者ギルバート・ブライスを演じるのは同じく
K‐BALLET TOKYOの栗山廉さんです。
そして、その他の役を演じるのが去年11月のオーディションで選ばれた地元のダンサーや子どもたち86人です。
この日は初稽古から約3か月ぶりの全体練習。
出演者たちは役割別に子役、キャラクター、キャスト、ソリストに分けられ、配役も決定していました。
森の妖精を演じる子役グループの練習。
振付・演出を担当する山本康介さんからバレエの基礎的な動きの指導を受けましたが…
振付・演出 山本康介さん
「知ってる先生と知ってるところでそうやってて、知らない人の前でどうやって踊るの?どういうつもりなんですか?おかしくないかい?どうぞもう1回」
人の目を気にしてか感情を目一杯出せない出演者たちに山本さんの檄が飛びます。
振付・演出 山本康介さん
「やっぱり日本の子たちは自分を出すのに時間がかかるんですけど、その出せない時間がすごく無駄になる。やっぱりエネルギーを出して踊るパワーを出して何かになりきって踊るということが、舞台芸術につながってくる」
そして、ソリストとキャストの練習ではこの舞台のために作られた曲を使い、いよいよ振付の指導が始まりました。
この日は、アンが通う学校の教室のシーンを練習。
山本さん、ストーリーや曲、出演者の技量、そして、ここにはいないプロのゲストダンサーの動きなどを考慮しつつ、その場で振付を考えていくと言います。
そして、山本さんの指示をすぐに吸収し表現していく出演者たち。
わくわくするような踊りが次々と形になっていきました。
振付・演出 山本康介さん
「ドラマチックに見せるためには、にぎやかなシーンとしんみりしたシーンの差があればあるほど、静かなシーンが映えてみえるので、普通の踊りよりかは少しうわぁーと乱れてみえるような感じて作っています」
出演者
「難しいけど、できそう」
「私の教室ではあまりこういうコールド(郡舞)のようなやつは踊ったことがなかったので、すごく新鮮で楽しいです」
今回、ソリストに選ばれたのは3人。
アンの同級生で心の友、ダイアナ・バリーを演じるダンサーの大下結美花さん。
アンの同級生ルビー・ギリスを演じるのは同じくダンサーの生田絵美さんです。
大下結美花さん
「お客様を赤毛のアンの世界に引き込むような舞台を作れるように頑張っていきたい」
生田絵美さん
「私もアンと同じように成長できるように、本番に向けて、リハーサルや普段の練習を頑張っていきたい」
そして、もう1人、アンの同級生ジェーン・アンドリュースを演じる山下彩香さん。
彩香さんは、まだ中学3年生です。
山下彩香さん
Q きょうの練習振り返っていかがでしたか?
「一言目にでるのがすごく楽しかった。この作品をいちから作り上げていっているという感じがすごい伝わって、音楽も初めて聞いたんですけど、すごいワクワクしました」
本番まで約5か月。
今後、曲もどんどん完成していき覚える振付も増えていきます。
そのために山本さんが求めるのはやはり基礎能力です。
振付・演出 山本康介さん
「やっぱり開いて伸ばすところがまだまだ弱いので、もちろん作品としての踊りは続けていきますけど、基礎能力として足りないところはずっと指摘することになると思います」
鳥取発の新作バレエ「赤毛のアン」。
どんな舞台が出来上がるのか、そして出演者たちの成長にも注目です。
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