新潟県内の中山間地域の一部では田植えができないような水不足となっていて、コメ農家から切実な声が上がっています。

新潟県長岡市の西中野俣地区で農業法人を営む金内一幸さん(64歳)は今の時期、田植えの前に田んぼに水を張って土を耕す『代かき』に追われています。

しかし今年は“水不足”に悩んでいます。

【農業法人杜々 金内一幸代表取締役】
「湧き水も細いし、上のため池からの水も細いし…。本当に田植えできるかなって、今悩んでいるところ」

金内さんの田んぼでは例年、ため池の水や山からの湧き水を利用して代かきを行っています。

しかし今年は、湧き水をためる貯水池の水量は例年の半分以下。
冬の少雪と春以降の雨が少なかったことで水が足りず、田植えが出来ない田んぼが出てきているそうです。

こうした状況を受けて長岡市では、24日に支援策を発表しました。

【長岡市 磯田達伸市長】
「今までになかったような水不足の広がりが想定される。市としては、昨年以上の渇水被害を想定しながら、早めに手を打っていきたい」

予算規模は1200万円で、コメや園芸作物のほかニシキゴイの生産者に対し、渇水対策のためにポンプなどを配備した場合に、かかった経費の半分を補助(上限は10万円)するとしています。

長岡市では猛暑に見舞われた2023年の8~9月にかけても同様の支援策を打ち出しましたが、今年は2か月以上前倒しした5月からの支援になります。

長岡市によりますと、水不足によって代かきができない、あるいは遅れている田んぼは、市内で現在25か所が確認されていて、面積は40haに上るということです。

【農業法人杜々 金内一幸代表取締役】
「どうやっていいか分からないというか、どうしようもないというか。こればっかりはもう水がないことには始まらないので、本当に神頼み…。雨乞いしたいくらい、本当に」

去年も記録的な暑さにあえいだ生産者にとって、今年にかける思いは切実です。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。