14日に投票が行われた鹿児島市議会議員選挙について、小川記者とお伝えします。

こちらは各党の改選前の議席数と今回の選挙で獲得した議席数を比べた表です。自民党は獲得議席が17となり、改選前から3議席減らしました。

一方、野党が議席を増やしました。立憲民主は1つ増やし、4議席。これまで議席がなかった日本維新の会と参政党は、それぞれ1議席を獲得しました。
公明党は去年1人が辞職していたので、前回選挙の獲得議席の6に戻した形です。共産党、社民党、国民民主党は、それぞれ改選前の議席を守りました。

躍進した野党の喜びの声です。

(トップ当選 和るりか氏(58)立民・新)「これからが本番。声を上げられない人たちの声を聞かせていただき、その声を議会に届ける。それを解決することができる議員になりたい」

(去年4月県議選落選のリベンジ当選 田代芳樹氏(50)維新・新)「鹿児島で『日本維新の会』を広げるために頑張りたかったので、1議席だが確保できよかった」

(参政党唯一の公認候補 大原葉氏(55)参政・新)「市民の声を聞きながら、勉強しながら課題を見つけて取り組んでいきたい」

5人を擁立した立憲民主党は、トップ当選を果たした和さんを含む3人の新人が、いずれも10位以内で当選しました。

躍進した野党とは対象的だったのが自民党でした。自民党は、親から地盤を引き継いだ3人の候補のうち1人が落選。6期務めた現職も落選し、新人5人のうち、当選者は2人にとどまりました。

背景には、自民党の派閥の政治資金パーティーでの裏金事件があります。選挙期間中も「裏金事件で今回は自民党には入れない」と電話がきた陣営もありました。
明暗を分けた与野党の県連幹部に受け止めを聞きました。

(自民党県連 吉留厚宏幹事長)「17議席なので何とか踏ん張ったかなと思う。政治資金の問題について厳しい声はあったと思う。(今後は)それぞれの選挙において、みなさんが課題について訴え、成果を得ていくことが大事だと思った」

(立憲民主党県連 柳誠子代表)「今の政治を許せないという気持ちが本当に強いということを感じた選挙戦だった。政権取るぐらいに立憲民主党は頑張ってほしいという声ももらった。市議会にも仲間が増えたので、より強い戦いができると思う」

一方、今回の選挙では女性の当選者は12人で、過去最多となりました。現在、議会にいる女性は8人で、今回の選挙で4人増えます。全体のおよそ4分の1が女性になった計算です。当選順位で見てみると、上位10位以内の半数が女性でした。

また、議会の若返りも進みました。池田祐晟さんは28歳の若さでの当選でした。議員の平均年齢も改選を経て61.19歳から55.6歳に若返っています。

一方、投票率は40.70パーセントで、過去2番目に低い投票率となりました。その背景について、専門家は自民党の裏金事件も影響しているとみています。

(キャスター)裏金事件で自民党に逆風が吹いた市議選が、ほかの選挙にも影響する可能性があるとのことでした。一方、市議会にとっての今後4年間の課題や、下鶴市政への向き合いはいかがでしょうか?

MBCのアンケートで最も関心を集めた課題は、「サッカースタジアム問題」でした。現在は新たな候補地を検討している段階ですが、整備地が決まり、スタジアムの具体的な姿が見えてきた場合は、現在、県の新たな総合体育館で議論になっているような巨額の建設費が議論の焦点になります。

市政の方針が適切なのか、議会のチェック機能がこれまで以上に問われる局面を迎えます。スタジアム問題では、候補地が2度白紙に戻ったことで、各党の下鶴市政への評価は厳しさを増しています。議会の構成も変わる中で、今後、年末に控えた市長選に市議選の結果がどう影響するかも注目です。

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