ドライバーの時間外労働の規制強化に伴う2024年問題へ、青森弘前市が独自の対策です。路線バスの運行本数の減少を始め、様々な影響が出ていることから、このほど、大型二種免許などを持っていて退職を予定している自衛隊員への採用に向けた取り組みが始まりました。

陸上自衛隊弘前駐屯地に到着したのは、弘南バスの車両です。運転席に座るのは、退職を予定している自衛隊員です。担当者から説明を受けながらハンドルを握りました。

今回、自衛隊員を対象にした取り組みが行われた背景には“2024年問題”があります。今年度から時間外労働は、年間で960時間に制限されるなどして働き方改革が求められます。

さらに、弘南バスではドライバーの数自体も10年前と比べて150人ほど減少。この影響で、今年度から便数を約100便減らしました。

こうした状況を踏まえ、弘前市が着目したのは早期に定年退職を予定する自衛隊員でした。

4月に自衛隊と公共交通の人材確保に向けた連携協定を結び、23日のインターンシップでは弘南バス・北星交通・弘南鉄道が業務内容や雇用条件などを説明しました。

弘南バス・人事部 藤田潔部長
「即戦力になりますし、精神的な強さや使命感が非常に強いので、交通事業者にとっては1番適正な人材ではないかなという風に考えています」

弘南バスは、定年で退官した自衛隊員の優遇措置として入社支度金30万を付与するとともに、自衛隊員の勤続年数に応じた固定手当の支給を検討し即戦力として期待を高めています。

参加した自衛隊員は
「私も大型免許を持っていて普段トラックは運転していましたが、人が後ろに乗ってるというところで、また別なプレッシャーとかもありましたし、大変緊張しました」

「タクシーだったり、そういったところでなにかしら就職ができればいいかなと」

弘前市は、今後もインターンシップなどを行い、自衛隊員の再就職と公共交通の人材確保をあと押ししたいとしています。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。