アルツハイマー病の原因とされる異常なたんぱく質が脳内にたまっているかどうかを、症状が出ていない人の血液を調べることで、発症前から高精度で予測する方法をつきとめたと東京大学などのグループが発表しました。血液検査で、これまでよりも早く病気を診断することができ、早期治療につながることが期待されます。

アルツハイマー病は、発症前から「アミロイドβ」や「タウ」とよばれる異常なたんぱく質が脳内に蓄積していくことが知られています。

東京大学の岩坪威教授らのグループは、軽度認知障害の人や認知症を発症していない国内の474人を対象に、血液中の「アミロイドβ」や「タウ」を測定・分析することで、脳内に「アミロイドβ」がたまっているかどうかを予測しました。

その結果を医療現場で使われている「アミロイドPET」と呼ばれる脳内の「アミロイドβ」の蓄積状態を確認できる検査の画像と比較したところ、血液検査で90%以上の精度で診断できていたということです。

去年発売されたアルツハイマー病の新薬「レカネマブ」は「アミロイドβ」がたまった人が対象となりますが、アミロイドPET検査ができる施設は少なく、高額となり、さらに、脳脊髄液を採取する検査は体への負担が大きいという課題もあります。

血液検査での診断が可能となれば、より効率的に診断を行うことができ、病気の早期での発見や治療につながることが期待されています。

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