おにぎりや和食に欠かせない「のり」の値上げが続いていています。のりの高騰をうけて、おにぎり店でも値上げするところが出ているようです。のりをめぐって一体何がおきているのでしょうか。

名古屋市中川区の「おにぎりカフェ よってこ米!」。

こちらのお店のおにぎりは大ぶりで具だくさん、一番人気はシャケです。人気のモーニングは、豚汁におにぎり、卵焼きなどがついて、550円。おにぎりの具は16種類から選べます。

(お客さん)
「ときどき来ます。大きくて具もたくさん入っている」
「おいしいです」
「のりがおいしくないと、おにぎりも味が引き立たない」

そんな「おにぎり」にもピンチが…おにぎりに欠かせない九州・有明産ののり。50枚で、おととしは1000円だったのが、徐々に上がり、現在は1.5倍の1500円になっているんです。

(おにぎりカフェ よってこ米!鈴木康夫社長)
「おにぎりに関しては(1つ)20円~30円値上げしました。ただ、モーニングセット(550円)の価格は据え置きで頑張っています」

なぜ、こんなにも「のり」の価格があがっているのでしょうか。

(荒木海苔店 荒木隆史社長)
「全国の生産量の約4割が有明海。水温がなかなか下がらない。温かい日が続いて、雨も降らなくて。そうすると、のりの栄養のもとになる栄養塩が不足してしまって、のりがとれない」

産地・有明の不作を背景に、日本ののりの生産枚数は2010年ごろ約80億枚だったものが、去年、おととしと2年連続で50億枚割れに。

半世紀ぶりの低水準で、のりの平均単価もこの2年で約倍となる21円17銭となりました。これを受けて、のり業界は6月からさらなる値上げに動き出すことに。

名古屋市中村区にある創業94年の、のり問屋「荒木海苔店」も価格転嫁は避けられないと頭を抱えます。

「半年分買って帰ります」“のり”の特売セールは大繁盛

(荒木海苔店 荒木隆史社長)
「コストカットなどを通じて、できる限り踏ん張っていきたいとやっていたが、値上げは避けて通れないかなと」

「荒木海苔店」では、小売りの看板商品である「のり子さん」シリーズの価格を6月から2割引き上げるほか、約100品目のうち7割が2割ほど値上げすることになりました。こうした中…

22日から2日間は、おいしい海苔を多くの人に食べてもらおうと特売セールが行われました。

(来店客)
「毎回来ています。半年分買って帰ります」
「親戚中に頼まれて、代表で買いに来て、帰ったらみんなにわけます。リュックにも入っていて…1万6000円くらい。満足です」

全ての商品が約3割引きになっていて、行列ができるほどの大繁盛です。

(荒木社長)
「少しでも日本の伝統食である、のりを皆さまに食べていただきたい。値上げで、のりから離れてしまう“のり離れ”をなんとしても回避したい」

のり業界の苦しい戦いが続いています。

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