横浜地裁(資料写真)
◆取材を受けたくない?ぶっきらぼうな短い返事
強制わいせつ罪に問われた神奈川県内公立小の元校長の裁判。4月下旬、午前11時開廷の30分ほど前に法廷に向かうと、入り口にはスーツ姿の男女60人ほどの長い列ができていた。関係者によると、午前10時ごろには50人以上が並んでいたという。傍聴席は48席しかなく、この日の論告求刑の取材を断念せざるを得なかった。 3月も、同じ裁判で傍聴席はスーツ姿の人で埋め尽くされていた。被害者保護の観点から、裁判所内に掲示されている開廷表でも被告の名は伏せられているため、明らかに異様だった。 公判後、裁判所の外でスーツ姿の女性に傍聴のきっかけを聞いた。「誘われたので」「興味があるので」。ぶっきらぼうな短い返事が繰り返された。強い口調から、取材を受けたくないという意志を感じた。◆職員の出張記録を求めると、市教委は時間稼ぎを始めた
市教委は組織ぐるみで傍聴を妨げているのでは。 頭に浮かんだ。だが、被告が教員ということ以外に手がかりがない。そこで4月の公判後、傍聴人の1人の後を追った。乗り込んだ地下鉄の同じ車両で様子をうかがっていると、10分ほどで下車。横浜市南部学校教育事務所(港南区)が入居するビルに入っていった。 傍聴人は市教委職員で、被告も市に関係していると確信。すぐに市教委に、地裁への職員の出張記録や具体的な指示が分かる文書の開示を求めた。通常は2週間以内に開示するかの通知があるはずだが、今月15日に「期間内の開示決定が困難」と延長の連絡がきた。(森田真奈子) 鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。