ケージに入っているのは、飼い主が高齢となって世話ができなくなったり、住宅街に迷い込んだりして、保護された「保護猫」です。

こうしたネコを少しでも減らす命をつなぐ取り組みを取材しました。

「責任のある飼い主さんに…」つなぎたい“保護猫”の命 

青森県弘前市で開かれた保護猫の譲渡会。飼い主が高齢のため世話ができなくなったり、住宅街に迷い込んだりしたネコを保護する弘前保護猫活動連絡協議会=保護猫の会が中心となって、青森市や黒石市で動物の保護活動をしている団体とも協力しながら今回初めて開きました。

今回は1歳~5歳までのネコ10匹が譲渡の対象に。まずは2週間ほど自宅で慣らし飼いをしてもらう「トライアル」で相性などを確認します。

弘前保護猫活動連絡協議会 蛯名正樹会長
「(保護ネコを)最後まで面倒を見れるかどうかのトライアルなので、しっかり最後まで飼っていただくような、責任のある飼い主さんになっていただきたい」

譲渡会を開いた背景には、保護猫の処分を少しでも減らしたいという思いがあります―。

年々減少も300匹以上は処分されるという現状

県動物愛護センターによりますと、ネコの保護数と処分数は、県内では2011年に2600匹以上に。その数は年々、減少していますが、それでも300匹以上が処分されています。こうした状況を受けて保護猫の会では、新たな飼い主を見つけることで、さらにその数を減らしたい考えです。

そのためには、引き受けたいとする人たちにも飼育環境のほか、命を預かる責任について感じてもらうことが必要です。

トライアルに応募した女性
「家族の一員として迎え入れたいと思うので、お金はかかると思いますが、ペットも健康で生涯幸せに暮らせるようにしてあげたいなと思います」

今回は7匹のネコのトライアル申し込みがあり、今後はその結果をみて譲渡されることになります。

弘前保護猫活動連絡協議会 蛯名正樹会長
「初めて開催したので、この経験を少しでも活かして、皆さんが関心を持って集まっていただけるような譲渡会を目指していきたいと思います」

保護猫の会では、今後も譲渡会やセミナーを開催するなどして、ネコたちの命をつないでいきたいとしています。

保護ネコを引き取る場合は、60歳以下といった年齢制限のほか、飼育環境が整っているかなど条件があるということです。

かわいそうだから、だけではなく命を預かるということの責任の重さもあるということを理解することが保護猫の命を救うことにつながります。

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