(若狭敬一キャスター)
名人戦第4局で藤井八冠は豊島九段に敗れました。
このところ、少し負けのニュースをお伝えしているなという印象があるんですが、大丈夫なんでしょうか?

(大石邦彦アンカーマン)
19日夜、杉本師匠に取材したんですけども、やっぱりこの「急所」という言い方をしてたんですが、「一番の山場で、今までだったら攻めの一手をしてた藤井さんがちょっと守りに入るんだよね。そこが気になるし、そこが負けと結びついてないか心配してます」ということは言ってましたね。

(若狭)
そうですか。今後影響というのはどうでしょうか。

(大石)
「次の名人戦第5局にもし敗れると、“眠れる獅子”の豊島九段を起こすことになって、名人戦すら防衛が難しくなるかもしれない」と、杉本師匠言っていました。
また「次の叡王戦第4局にも影響が出てくるんじゃないですか」とも言ってたんですね。

(若狭)
スケジュールがタイトで、名人戦がまたすぐあって、さらに今月末には叡王戦もあるという、この辺り過密なんですよね。

(大石)
そうなんですよ。スケジュールを見ると、いかに過密かというのがわかります。
5月26日(日),27日(月)で名人戦第5局、2日間やります。北海道です。28日(火)は移動日で、北海道から戻ってきます。そして31日(金)に叡王戦の第4局が千葉であるんですが、その前日は、移動して検分もやります。

だからこれ「中3日」に見えるんですけども、実は「中1日」なんですよ。この「中1日」で研究っていうのがどこまでできるのか。しかも次の叡王戦は、不利と言われる後手番ですから。藤井八冠の真価が問われる1週間だと思いますね。

(若狭)
でもこの過密スケジュールも、八冠であるからゆえの宿命なのかな、という感じもしますね。

(大石)
そうですね、羽生善治さんは全冠制覇をしましたが、あの羽生さんも全冠制覇ができた時期っていうのは1年持たないわけですから。藤井八冠はその記録は抜きましたけども、それぐらいやはり全冠制覇を維持していくというのは、難しいことなんですよ。

(若狭)
そうですね一冠取るのがまず大変、八冠も取っている。故にどんどんどんどん挑戦者がやってきて、そのタイトル戦が続くということですもんね。

(大石)
もし叡王戦落とすということになれば、今度は八冠になるためには、もう1年かかるわけですよ。

(若狭)
いま凄まじい状態を我々は見てるということですね。

正念場を迎えます藤井八冠ですが、次の対局となる名人戦第5局は、5月26日から北海道紋別市で行われます。

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