東京電力福島第1原発事故から13年が過ぎた現在も、福島県の浜通り地域に自生する山菜には影響が残る。今年も定点での採取、測定が終わり、現状を報告する。(山川剛史)

◆基準を下回る山菜が多くなってきたが

 東京新聞は2017年から楢葉町、18年から飯舘村で採取する場所を決め、山菜に含まれる放射性セシウム濃度を調べ続けてきた。  相対的に汚染度の低い楢葉町では、食品基準(1キログラム当たり100ベクレル)を下回る山菜が多くなってきたが、一部を除いて検出され続けている。  飯舘村でも、濃度は低下傾向にはあるものの、多くの山菜で基準超えが続く。ワラビやゼンマイなどは食べる前にあく抜きをするので、濃度はさらに3割ほど低くなる。塩漬け後に塩味がしなくなるまで塩抜きをすれば、山菜からセシウムはほぼ抜けることは何度も確認している。  ただ、天ぷらやまぜご飯で食べることの多いコシアブラは、元の濃度が高い上にセシウムはほとんど抜けない。楢葉町では採取されて間もないコシアブラの木を何本も見つけた。食べている人がいるとみられるが、内部被ばくにつながることには留意してほしい。  記者は30ベクレル程度までは受け入れて食しているが、濃度を確かめた後だ。残念だが、まだまだ警戒を止めていい段階とは言い難い。

◆あく抜きで半減してもまだ基準超

 原発に近い大熊町で採れたタケノコの提供を受けた。生の状態で460ベクレルあった。重曹を入れて約40分間あく抜きをすると238ベクレルとほぼ半減した。しかし、それでもまだ食品基準超。  その後にきちんと水にさらさないと、十分にセシウムは抜けてくれなかった。 

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