原子力規制委員会は15日、東京電力が再稼働を目指す柏崎刈羽原発(新潟県)7号機について、「15日に原子炉内に核燃料を装塡(そうてん)する」との申請を許可したと発表した。東電は、再稼働には立地する新潟県などの自治体の同意を取るとしており、再稼働時期は「未定」としている。新潟県の花角英世知事は同意の是非を判断するのにあたり「県民の信を問う」と明言。実際に同意を得られるかは不透明だ。(荒井六貴、渡辺聖子)

東京電力柏崎刈羽原発

 2011年3月の福島第1原発事故以降、東電としては初めての核燃料装填の作業になる。柏崎刈羽原発では最後まで稼働していた6号機が12年3月に停止。各号機の核燃料は16年までに順次、原子炉から原発構内のプールに移されていた。

◆作業完了まで半月程度か

 規制委の許可を受け、東電は15日午後4時ごろから、柏崎刈羽7号機のプールで保管していた核燃料872体を1体ずつ原子炉内に入れていく。作業が完了するまでに半月程度かかるとみられる。装塡後は、設備が想定通り作動するかや冷却機能が正常に働くかなどを検査する。検査終了の時期は未定としている。  原子炉に装塡された核燃料体から制御棒を引き抜けば、臨界状態になり再稼働することになる。検査で制御棒を一部引き抜くこともあるが、東電は「臨界状態にはしない」としている。柏崎刈羽原発の稲垣武之所長は3月28日の会見で「制御棒を引き抜けるかどうかは、地元の了解があってのもの」と説明している。  花角知事は再稼働への同意の可否を決めるために、「県民の信を問う」と明言するが、具体的な方法は明らかにしていない。  柏崎刈羽を巡っては、規制委が17年12月に、6、7号機が新規制基準に適合すると決定した後、テロ対策の不備が相次いで発覚。規制委は21年4月から23年12月まで核燃料の移動を禁じ、事実上の運転禁止命令を出していた。


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