いま全国で大量発生している、くさ~い虫・カメムシ。果物の果汁などを吸うため、農家も頭を抱えています。

農家
「去年、もち米にはつきましたね、たくさんつきました」
別の農家
「収穫の時にまたやられてるなというのを度々見る。日常にカメムシの存在を感じるくらい被害にあったことはあります」
別の農家
「今どき出るというのが、おかしいよ」
山口県病害虫防除所 河村俊和専門研究員
「過去10年で比較すると最も多い、危ないなと」

なぜここまでカメムシが増えたのか、その原因と対策にせまります。

カメムシは全国的に大量発生していて、山口県でも問題となっています。4月23日にはカメムシ注意報が発令されています。県病害虫防除所が今年2月に、県内10か所でカメムシの越冬量を調べたところ、平年のおよそ4倍。過去10年で、最も多いんです。

カメムシは例年、8月くらいから増えてくる虫なので、そもそもいまこの時期に増えているということがおかしいんです。

よく見られるカメムシの種類は、3種類。クサギカメムシ、ツヤアオカメムシ、チャバネアオカメムシ。

これらは、果物の果汁を吸う「果樹カメムシ」に分類されている害虫なんです。山口県だと、なし、りんご、かんきつ類、ももなどが被害を受けているそうです。

カメムシに毒などはありませんが、最大の特徴はなんといってもくさい「におい」です。なぜにおいを出すのかというと、一番は外敵から身を守るため、また仲間に「ここに餌があるぞ!」とか「逃げろー!」などの情報発信をしたりするためだそうです。

ただ密閉空間に閉じ込められてにおいをだすと、カメムシ自身も死んでしまうほど強烈とか。

カメムシの一生は

カメムシは8月くらいに成虫になります。通常カメムシは冬の寒さで死ぬことが多いんですが、生き延びて冬を越したカメムシが6月に産卵をして、7月くらいに世代交代をします。寿命はおよそ1年と言われています。

今のこの時期にカメムシが増えていることがおかしいということになるんですね。「なぜこんなに増えてるの?」県病害虫防除所の河村さんに聞くと、最大の理由は「スギ・ヒノキの量と暖冬です」

県病害虫防除所 河村専門研究員
「1つは去年、カメムシの餌になるスギ・ヒノキの球果が多かったので、8月以降に出現する成虫の量が多くなったのが1つですね」

去年はエサとなるスギやヒノキの実が豊作で、カメムシの量が増え、成虫の産卵数も増えてくるといいます。去年の8月以降に大量発生したカメムシは暖冬の影響で冬を越し、そのまま生き延びていることも大量発生の原因です。

県病害虫防除所 河村専門研究員
「冬の暖冬傾向も毎年あると思うので、これからカメムシなどの害虫が増える傾向にはなるのかもしれないですね。カメムシには『おとなしくしておいてください』と言いたいですね」

改めておさらいしますと、去年スギやヒノキの実が豊作で、カメムシの量が増え、産卵数も増えた。さらに暖冬の影響でカメムシが死なずに冬を越したということです。では出てきてしまった時どうすればいいのか。

カメムシが出たら・・・

まず農家の人。果物の果汁を吸うカメムシには、こまめに果樹園の周辺を回ってカメムシが付いていないかを確認。多ければ農薬をまくしかないそうです。

家の中に出たときは、直接触ると、あの強烈なにおいを出してしまうので、掃除機やペットボトルなどで吸い込んで処理。カメムシは家の小さな隙間でも入ってきますので、窓を開けっぱなしにしない、洗濯物はなるべく外に干さないなど対策をしてほしいということです。

最後に「カメムシのいいところは?」河村さんに聞きました。
その答えが「う~んないですね・・・。」
やっぱり害虫ですからね・・・。これから暖かくなるにつれてさらに活発化することが懸念されているカメムシ。カメムシへの対策はしばらく必要となりそうです。

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