すでに東京や京都などの一部地域で始まっている「ライドシェア」。一般ドライバーが自家用車を使い有料で客を乗せるサービスです。まだまだわからないことが多いこのサービス、「タクシー乗り場に一般ドライバーの車が並ぶ」そんな光景が広がるのでしょうか?ライドシェアについて深掘りします。

日本版ライドシェアはどんなサービス?

ライドシェアの日本での運用は、かなり限定的で、タクシー乗り場に一般の車が並ぶようなことはありません。
日本版のライドシェアは「タクシーが不足する時間帯だけ」認められます。

例えば、宮城県では仙台で導入される見通しですが、国の調査で仙台でタクシーが不足するのは、金曜の午後4時台~午後7時台、日付けが変わった翌土曜日の午前0時台~午前3時台と発表されています。不足台数は、それぞれ50台と30台です。つまり、週末の夜と未明の一部の時間だけライドシェアが認められるということです。

このように、かなり限定的となっていますが、一般ドライバーの車に乗ることには様々な不安の声も上がっています。仙台で街の人に「ライドシェア」について聞きました。

街の声:
「使わない。(ドライバーが)どこに所属しているか分からない」
「使うかもしれない。特に不安とかはない。それなりに資格を持った人がやるんですよね?」
「この時間帯にあれば楽かなと。(Q どうやって乗るか知っていますか)全然分からない」
「一般の人ですよね、運転するのは…。不安はある。トラブルあったときにどこに言えばいいのか」
「車を運転するのでタクシーに乗ることがあまりない(Q 自家用車を活用して客を乗せるのは?)それはない。考えたことがない」

では、そもそもライドシェアでの一般ドライバーの管理や安全態勢はどうなっているのでしょうか?

一般ドライバーの管理はどうなっている

具体的な運営について、東北運輸局に聞きました。

東北運輸局旅客第二課 千葉将喜経営支援係長:
「タクシー事業者が一般ドライバーを雇用して、タクシードライバーにするような安全管理や指導教育をしたうえで、一般ドライバーを管理し運送させるという枠組みです。
(タクシー運転手に必要な)二種免許は不要で一種免許で旅客を運送する。流しや客待ちの運用はできないことになっている。原則アプリを介して運送を依頼する」

東北運輸局旅客第二課 千葉将喜経営支援係長

一般ドライバーの管理はタクシー会社が担います。ライドシェアの運転は、第一種免許があれば許可されます。ただし、初心運転者期間の人は対象外です。

サービスを利用するには、配車アプリで予約、その際、乗る場所と行き先を指定して、事前に運賃を確定させるのが特徴です。料金の規定はタクシーと同じですが支払いは、キャッシュレス限定です。

こうした仕組みは、トラブル防止の理由もあるといいます。

運賃は誰の収入に?

では、運賃のすべてが一般ドライバーの収入になるのでしょうか?

東北運輸局によりますと、運賃の取り分については「各社の判断による。タクシー事業者が運行管理を行うので運賃のすべてが一般ドライバーに入るという仕組みにはならないと考えている」ということです。

タクシー会社からすれば一般ドライバーの管理という新たな事務作業が増えることになり、戸惑いもあるのではないのでしょうか。

タクシー協会、全面解禁には反対

県タクシー協会も基本的には導入に反対との姿勢は変わっていません。

県タクシー協会仙台地区総支部 高澤雅哉支部長:
「タクシーがもし足りないのであれば、タクシードライバーを増やすような対応が先ではないかと。
一種免許を持つ誰もが自由に好きな時間にやれるというライドシェアの全面解禁には今も反対です。
ライドシェアでなくタクシーの方が良いという乗客も当然いるだろうしやってみないと分からないというのが正直なところ。第一は安全、一種免許のドライバーを雇用するので徹底的に教育して、事故トラブルがないようにしたい」

県タクシー協会仙台地区総支部 高澤雅哉支部長

実際、ライドシェアに参加を予定する会社はどのくらいあるのでしょうか。東北運輸局の意向調査では、市内46のタクシー会社のうち9社が参加を表明しています。そのうちの一社を取材しました。

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