作業療法士を目指し、今年4月から島根県松江市の専門学校に通い始めた男性がいます。年齢はなんと81歳。
脳梗塞の後遺症を抱えながら、孫以上に歳の離れた若者とともに学び始めた男性、夢に向かう姿を取材しました。

島根県松江市にある松江総合医療専門学校。
とある教室で、10代の若者ととも授業を受ける高齢の男性がいました。

津田良和さん、年齢はなんと81歳。作業療法学科に今年の4月に入学したばかりの新入生です。

津田良和さん
「脳梗塞の治療をしてもらった作業療法士の治療が、ずっと忘れられなくて」

津田さんは、28歳の時にIターンで島根県にやってきました。
県職員として、児童福祉の分野で60歳まで働き、退職後はその経験から看護の専門学校で講師を務めるなど、元気に過ごしていました。

しかし、65歳から5度にわたり脳梗塞を患い、去年末には5ヶ月の入院生活を送りました。
今も右手が動きにくいなどの後遺症があり、そのリハビリを支えてくれたのが「作業療法士」でした。

津田良和さん
「リハビリで心も強くなったような気がしたんです。一念発起して、最後の挑戦だということで、学校を受験した」

支えてくれた作業療法士への感謝、そして今度は自分が誰かの支えになりたいという思いから、81歳で作業療法士への道を歩み始めました。

作業療法士とは、患者がその人らしい日常生活を取り戻すため、からだやこころのリハビリを行う仕事。
関節や筋肉など、体のどの部分に問題があり、どんなリハビリが必要かを判断します。

入学して1ヶ月。どんなことを学んでいるかというと…

「津田さん、レディに触るから、『失礼します』とか言ってくださいよ(笑)」

60歳も歳の離れた同級生と授業を受ける津田さん。
今は、体の構造や関節の可動域の測定方法を学んでいます。

しかし、まだ、脳梗塞の後遺症が残ります。

学校内は歩行器を使って移動。
右手の回復も完全ではありません。

さらに、81歳ではじめて使うというタブレット…いろんな場面で困ることの多い津田さんを、同級生たちがサポートします。

作業療法学科の同級生
「最初はびっくりしました。でも、作業療法士になりたい夢を聞いて、いいな、一緒に頑張りたいなと思った」
「骨を覚える授業を受けているが、(津田さんが)結構、頑張っていて。自分も頑張らないとなと思う」

松江総合医療専門学校 片山優子 副学校長
「正直なところ、年齢のことも、病気のことも様々な心配はありました。ただ、津田さんが非常に頑張っているし、周りの学生たちも自然と手助けをする状況が今できているので、お互いにとって成長できる状況ができるんじゃないかと思っています。」

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