ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手の二刀流ならぬ、“新潟の大谷”は三刀流です。新潟市にあるはんこ製造・販売最大手の「大谷」が、2021年にウイスキーの製造を始め、話題を呼びました。そして今回は、高級魚の養殖に挑戦しています。

【記者リポート】
「大谷本社の社内です。こちらに入口がありまして、中に入ります。少し薄暗くなってきました。少し進みますと、こちらに養殖の池があるんです」

養殖池にいるのは、およそ5000匹のウナギ!
エサは魚粉で、毎朝およそ4キロの餌やりを行っていて、ものの10分で完食しました。仕入れた当初の2月には10グラム程度だったウナギは、100グラムほどにまで成長しました。

【大谷 堂田浩之 取締役】
「鹿児島の養殖場から育ちが悪かったウナギを『すそ』と言いますけれども、大規模な養殖場だと『すそ』を川に放流してしまうんですけれど、それを買ってきて…」

そして同じ敷地内には…

【記者リポート】
「蒸留所のタル倉庫です。めちゃくちゃいい香りです。いいウイスキーのにおいがします」

大谷は2021年、ウイスキーを製造する会社「新潟小規模蒸留所」を設立。
去年、世界的権威のある大会で最高金賞も受賞しました。はんこからウイスキー、そしてなぜウナギを?

【大谷 堂田浩之 取締役】
「ウイスキー工場で70℃の温水が毎日数トン出てくる。そのお湯を当初は捨てていたんですけど、それがやっぱりもったいなということで、このお湯を使ってなにか新しいことができないかと」

ウナギの養殖は温度管理が大切です。水温を25度~30度に保たせるためにウイスキー製造ででた温水を熱源にしたのです。

【大谷 堂田浩之 取締役】
「陸上養殖で一番難しいのは熱源の確保。難しさをウイスキー工場のお湯を使って克服している」

大谷では、今月中にさらに5000匹を仕入れる予定で、来年度までに年間3万匹の飼育。年間4500万円の売り上げを目指しています。

【大谷 堂田浩之 取締役】
「捨ててしまうものを活用して、そしてウナギの人気も全国的に高まっていますので、こういった部分でユーザーさんが口にする量が増えれば僕らもやっている甲斐がある」

ウナギの初出荷は今年10月ごろを予定していて、新潟県内の飲食店やふるさと納税の返礼品になるということです。

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