長崎市では去年観光客数がコロナ禍前に近い数字まで回復した一方で『観光客1人あたりの消費額が低い』ことが浮き彫りとなっています。

長崎市によりますと全国平均が《4万円あまり》なのに対し、長崎市は《約2万6千円》で全国平均の6割に留まっています。

これについて長崎市は『夜間の経済活動=ナイトタイムエコノミー』の弱さが理由の一つとしていて、夜の楽しみを充実させることで観光消費額のアップや宿泊客数の増加につながると分析しています。

世界新三大夜景にも選ばれている『長崎の夜景』というアドバンテージがありながら観光消費額が伸び悩む現状について、鈴木史朗長崎市長は観光セミナーのなかで「長崎はナイトタイムエコノミーのコンテンツがまだまだ十分でない」述べました。

いかに《長崎の夜の魅力》を高めるか、新たな楽しみ方の一つとして「夜のカフェやスイーツ」が注目されており、いま長崎市内では夜を楽しむカフェやスイーツ店のオープンが相次いでいます。

眼下の夜景を眺めながらの夜カフェ

長崎市の稲佐山中腹にある稲佐山観光ホテルでは、2023年10月「夜を旅するホテル」というコンセプトでブランドを再構築したのを機に、夜限定の「I★Cafe(アイカフェ)」を館内にオープンしました。

客:「幸せです」

「週末のご褒美」

「やっぱ嬉しいです、この時間にこういうのが食べられるのは」

I★Cafe 中島奈美枝店長:
「以前はですね、ここの場所はカラオケラウンジとして営業しておりまして新型コロナの影響で休止しておりました。今回カフェに変えて、一般の方もぜひ来て頂くような形で取り組んでおります」

提供するメニューも一工夫しました。夜景をイメージした「青いハーブティー」はレモンを入れると《紫色》に変わります。

このほかカステラをティラミス風に仕上げた「カスティラ」など、長崎にちなんだメニューもあり、頂上よりも近い中腹ならではの夜景を楽しむことができます。

客(佐賀から家族旅行中):
「なかなか見られない夜景なので、とてもきれいで感動しています。子どもと一緒に楽しめるのがいいところだと思います」

今後、増加が見込まれるインバウンド客の評判も上々です。

客(タイから):

「すごくきれいです、見たことなくて」

「このような夜景を見るためのカフェは見たことがない。カフェだと昼のカフェが多いけど、こういうナイトカフェもすごくいいなと思います。夜景が美しいです」

深夜0時までスイーツと酒を提供

新たな夜の楽しみは《まちなか》にも。去年3月にオープンした長崎市銅座町の「BLUEPRINT(ブループリント)パティスリー ラウンジ ナガサキ」

建築設計事務所も兼ねた建物の1階にオシャレな照明やくつろげるソファを備え、居心地の良さにこだわったラウンジを構えました。歓楽街に近い場所柄、深夜0時まで営業しています。

BLUEPRINT PATISSERIE LOUNGE NAGASAKI 堀畑惇マネージャー:
「(銅座という)繁華街の中で、夜に《お酒とスイーツ》が楽しめるお店って数少ないので。夜に合ったスイーツというのを展開して、《お酒と建築》も交えて新しい空間というのを目指しています」

提供するのはパティシエが作る本格スイーツと、スイーツに合う酒です。

堀畑惇マネージャー:
「大人気のカヌレと、ジャックダニエルのハニーです。はちみつ風味のウイスキーなので、カヌレとの相性もかなり良い」

ピスタチオのバタークリームと長崎県産いちごのケーキには、同じくいちごのフローズンカクテル。週末の夜には女性客を中心に大賑わいです。

客:

「めっちゃおいしい、もう本当にのんだ後にこの甘いスイーツが最高に沁みております」

「飲みにとか出た後に、締めラーメンとか、おにぎり食べようとなることが多かったので、デザートっていう選択肢が増えて嬉しいです」

飲んだ後「〆はスイーツ」派が増大

「飲みの〆にスイーツ」はいま、全国的にもトレンドになっています。

外食の専門機関(リクルート「ホットペッパーグルメ外食総研」)が今年2月、全国の20代から60代までの男女を対象に行った調査では「飲み会や会食後の〆として“炭水化物”か “スイーツ”か、どちらを食べたいか?」との質問で、“スイーツ”と答えた人が57.5%と “炭水化物”の42.5%を上回る結果が出ました。

歓楽街に近い丸山公園のそばに昨年末オープンした「SWEETS NO BANSAN(スイーツの晩餐)」もこうしたトレンドを押さえたテイクアウト専門のスイーツ店です。夕方5時のオープン直後にはお客さんが続々とやってきます。

経営するのは長崎出身で、現在は大阪に住みながらネットビジネスを手がける三宅智也さんです。

ZOOMインタスイーツの晩餐 三宅智也さん:
「コロナちょっと明けたぐらいに(長崎に)帰った時に、思案橋通りに人がいなくて、めっちゃ寂しいなと思いました」

ふるさとを盛り上げたいと長崎の夜の街に初めて実店舗を出すことを決意。ヒントは旅先の韓国で出会いました。

三宅さん:
「明洞って街があるんですけど、韓国に。夜まで屋台がズラーって並んで、スイーツをバーッと売っている煌びやかな街があって。あぁなんかいいなぁ、みたいな。お祭り状態ですね。長崎くんちみたいな感じです。毎日が」

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