近年生息域を広げているイノシシ。青森県田子町の山あいでは約20頭の野生のイノシシの群れが撮影されました。県内では農産物への被害が拡大していて、影響が懸念されています。

「何頭いるんだろう…やばい…」空き地に集まるイノシシと、ウリボウと呼ばれる子どものイノシシ。14日の午後6時半ごろに田子町で撮影された映像では、20頭近く確認できます。

東北北部では、明治時代までの乱獲によりイノシシが絶滅したとされてきましたが、県内では2017年に深浦町で目撃されて以降、各地で目撃が相次いでいます。

今野七海記者
「田子町二次です。きのうこのあたりで20頭ほどのイノシシの群れが目撃されたということです」

イノシシが目撃された場所の付近では、数年前から目撃情報が上がっていました。 

イノシシを目撃した大久保和浩さん
「(イノシシに荒らされた場所を指して)これこれほら」
Q.これもイノシシの仕業?
「もちろん。(イノシシが)どんどん掘っていくと、道路が流れちゃうし崩れちゃう。作業に支障をきたす」

この地域では、イノシシが畑の周辺やビニールシートを荒らすため、住民がわなを設置しましたが、効果は見られませんでした。

イノシシを目撃した大久保和浩さん
「初めて見たのは5~6年ぐらい前。2頭だけいた。それが今になると何頭いるか分からない。増えて増えて…」

県によりますと、イノシシによる県内の農産物への被害額は2022年は530万円と過去最高となり、年々、被害が深刻化しています。

野生動物の研究と保全を専門とする、北里大学獣医学部の岡田あゆみ教授は、県内では今後もイノシシが増加するとみていて、総合的な対策が必要だと指摘しています。

【電話取材】
北里大学獣医学部 岡田あゆみ教授

「全体としての個体数管理、個体数を減らしていくのが1つと、柵などの防除も合わせて総合的に(対策を)やっていくことが重要だと思っています」

県は生息状況を把握するため、イノシシを目撃した際は情報提供してほしいと呼びかけています。

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