文部科学省=東京・霞が関

 文部科学省は15日、原子核の内部構造など、1兆分の1ミリレベルを観察できる米国の大型加速器「EIC」の建設計画に、日本が参加する方向で検討を始めた。量子コンピューターや核融合など先端技術への応用が期待されており、同省が設置した有識者会議が課題を議論し、正式に参加するかどうかも含めた方向性を今夏にも示す。  EICは、全周約3・8キロの円形実験装置。電子と原子核を高速で衝突させ、原子核内部の陽子が飛び散って複数の粒子に分解する様子を観察する。粒子の振る舞いから、物質とエネルギーの関係性を解明する。極小の世界で働く「量子力学」という物理法則の研究にもつながるという。  米ニューヨーク州にあるブルックヘブン国立研究所で2026年に建設を始め、32年の運転開始を目指している。文科省によると、現時点での建設コストは推定17億~28億ドル(約2600億~4300億円)。今年2月に米エネルギー省から日本に参加要請があった。飛び散った粒子を検出する装置開発で、日本に期待が寄せられたという。


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