今月6日、富山県高岡市の廃墟で見つかった遺体は近くに住む69歳の女性だったことがわかりました。女性は今年3月から行方がわからなくなっていて、女性の夫は取材に対し「なんと言っていいかわからない」と戸惑いを口にしました。なぜ女性は廃墟に行ったのでしょうか?
今月6日午前0時半ごろ、高岡市伏木国分にある廃墟でみつかった女性の遺体…。
記者:「この廃墟で見つかった遺体は、近くに住む69歳の女性でした」
14日、遺体の身元が廃墟の近くに住む69歳の女性とわかりました。女性の夫が取材に応じました。
遺体で見つかった女性の夫:「どう言っていいかちょっとわからん。ただ、今は気張っとるから」
1回か2回ほど、警察に保護されたことが…
14日夕方にDNA型が一致したと警察から連絡があったそうです。女性は今年3月23日の午後2時から2時半ごろ、自宅を出て行ったといいます。
遺体で見つかった女性の夫:「そこに娘おったがやけど、黙って静かに出て行った。それでちょっと帰ってこんもんやから、防寒とかどうのこうのしとんがならなんや思っとったんやけど…、そんなしとらんだもんやから結局、警察に捜索願いを出したがです」
女性は自宅に戻りませんでした。実は過去にも同じようなことがあったといいます。
夫:「買い物に行って、ご飯用意するのがあんまり好きじゃなかったもんやから。きょう何にしようか何にしようか考えてそのうちうち帰ってこん。それが月に1回か2回か。それはある」「朝買い物に出て行って、帰ってこんと、次の日買い物して帰って来る」
髙木記者:「夜、どこかで過ごしている?」
夫:「結局、ホテルとか。極端な話、1回か2回ほど、警察にやられた(保護された)。新高岡の駅の方におったとか」
自宅から廃墟までは1.5キロほど…
行方不明になる10日ほど前、こんな異変も…。
夫:「自転車に乗っとって転んで、顔打ってそういうことがあって、ちょっと入院したがと治療したがとちょっと期間あったがで…」
髙木記者:「認知症とかそういったことは?」
夫:「そういうことはない」
廃墟で亡くなってしまったことに夫は後悔を募らせます。
夫:「精神的に落ちこんどるが、外見からあんまり」「見る限りはそんな風に見えんがやけど、なんか落ちこんどるとかそういう風には見えんがやけど、やっぱなんかあったがかなーって」
遺体で女性は前かがみの状態で座り、上半身の衣服を身に着けていなかったということです。女性を知る近隣の住民は…。
記者:「最後に見られたのはいつですか?」
男性:「3月の末ぐらいの不燃物の当番に見えたかな。そのときが最後でないかな」
記者:「そのときはどんな様子でした?」
男性:「言ったら(会話が)返って来る。そういった言葉だけ。それ以外のことは喋らない」
女性:「足都合悪いだけで、わりと元気。公民館の掃除とかね、そんなが協力しとられたですね」
夫は1か月半近く妻を探し続けていたといいます。
自宅から廃墟までは直線距離で、1.5キロほどの距離にあります。廃墟で発見されたことに心当たりはあるのでしょうか?
夫:「なんか気分悪くなって、どこかそこ入ったがか、わからんけど。別にあのとき雨も降っとらんだから雨宿りすることもないと思うし…」
結局どういう状態で入っていったのか…
警察は「現時点で第三者の介在や事件性を疑わせる状況は確認されていない」としています。
現場の廃墟は窓が割れ、朽ち果てているうえに、誰でも出入りできる状態で、深夜に若者たちが集まるなど問題になっています。こうした現状について夫は…。
夫:「やっぱり閉まっておけばいいかなちゅう。一概にそう言われんがやけど」
髙木記者:「閉まっておけばいいというは入れないようにするということ?」
夫:「うん。結局どういう状態で入って行ったのかわからんから」
廃墟がある高岡市は管理不全の空き家に対しては助言や指導を行っていくとしています。
廃墟は私有地。行政としても管理の仕方は難しいが、すでに若者が深夜に集まるだとか誰でも出入りできる状況を考えるとこのままではいけない気が。
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