札幌市の小学校に「サクマロくん」と呼ばれるサクラの木があります。
このサクマロくん、北海道北広島市のFビレッジで思いもしない形で新たな花を咲かせようとしています。

 札幌市西区の山の手南小学校。
 校庭の片隅に、周りの桜よりも少し遅れて咲くサクマロくんは、今から24年前にこの場所にやってきました。

クボタ 安部昌彦さん
「私の印象では倍ぐらいの大きさになったんじゃないかなということで、本当によくここまで頑張って育ててくれたなと」

 思い出深く話すのはクボタの安部昌彦さん。

 サクマロくんは24年前、安部さんが管理を担当していた独身寮が取り壊しとなるとき、切り倒される運命だったソメイヨシノ。
 安部さんたちの懸命な働きかけで山の手南小学校に引き取られた後、児童たちに「サクマロくん」と名づけられ、毎年春に美しい花を咲かせてきました。

クボタ 安部昌彦さん
「たぶんサクマロくんが呼び戻してくれたのかな」

 安部さんは北広島市のFビレッジに「クボタアグリフロント」ができたことで、18年ぶりに北海道で勤務しています。
そのアグリフロントで今年始まったのが、「サクマロくん2世」を育てようというプロジェクトです。

「『食と農業の未来を作る仲間作りの場』というのがありますので、仲間を広げるという意味で、皆さん協力いただいています」

 3月には山の手南小学校の児童たちと「桜の穂」を取り、その組織を培養して「サクマロくん2世」を育てる作業が進んでいます。
順調に進めば2026年には苗に育つ予定です。

「ぜひ私たちも苗をいただいてクボタアグリフロントでサクマロくんを一緒に育てたいと思っています」
地域の人たちの絆をFビレッジで受け継ぐ…。

 四半世紀前には思いもしなかった形で、サクマロくんは新たな花を咲かせようとしています。

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