北海道豊頃町が発注した工事などの指名競争入札をめぐる贈収賄事件。その事件の構図とは。

ナギーブ モスタファ記者
「午後9時すぎです。家宅捜索を終えた捜査員が役場から出てきました」

 役場に入った、捜査のメス。逮捕されたのは豊頃町の元施設課長、越谷光裕容疑者と地元の土木業者「十勝開発」の代表、松本司容疑者です。
 
越谷容疑者は、豊頃町が2023年度に発注した道路の舗装工事などで、松本容疑者から「十勝開発」に便宜を図るよう依頼され、松本容疑者から合わせておよそ14万円相当の飲食などの接待を受けた受託収賄の疑いが、松本容疑者は贈賄の疑いが持たれています。

越谷容疑者は2018年11月から6年近くにわたって町の施設課長を務め、土木工事の発注業務を取り仕切っていました。
そして。

石黒拓海記者
「十勝開発は、豊頃町で唯一の道路舗装などを行う業者で、そのため、町が発注する舗装関連の大半を担っていました」

豊頃町によりますと、十勝開発は2023年7月に行われた中学校の駐車場の工事を約3000万円、歩道の改修工事を約500万円で落札。

落札率は、いずれも約98パーセントと高くなっていました。

今回の入札は、複数の業者を自治体があらかじめ指名する「指名競争入札」で行われました。

発注業務を取り仕切る立場だった越谷容疑者は「十勝開発」が有利になるよう、参加するほかの業者を指名したとみられています。

長年、発注業務に携わった役場職員と地元の有力業者との癒着。

警察は2人の認否を明らかにしていませんが、越谷容疑者が課長に就任した直後から、同様の便宜を図っていた可能性もあるとみて引き続き調べています。

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