太平洋戦争当時の戦艦大和のカラー映像が初めて確認されたというニュースを13日にお伝えしました。鹿児島県内の関係者からは「映像を通して、若い人にも改めて戦争の厳しさをしってほしい」との声がきかれます。

映像は1945年3月、沖縄へ向かう前、山口県岩国市沖で米軍の攻撃を避ける戦艦大和です。アメリカ国立公文書館から入手した太平洋戦争の映像を分析、研究している大分県宇佐市の市民団体が、新たに17点の映像を公開しました。

攻撃機の搭乗員が手持ちのカメラで撮影したとみられていて、「大和」は攻撃を避けるため、大きく転回しようとしているのが分かるといいます。

(「豊の国宇佐市塾 織田祐輔さん)「大和を捉えたカラー映像としては、おそらく初めてだと思う」

戦艦大和は全長263メートル、世界最大の46センチ砲を備えており、当時、「世界最強」「不沈艦」といわれていました。しかし太平洋戦争末期、終戦の年の1945年4月7日、沖縄に向かう途中、東シナ海でアメリカ軍機の攻撃を受け沈没しました。
乗組員3332人のうち、生き残ったのは276人。戦後の調査で、大和が沈没した地点は鹿児島県南さつま市の坊ノ岬沖と分かりました。

(枕崎市で戦争を語り継ぐ活動をしている北川忠武さん)「アメリカ軍の艦載機の乗員がカラーフィルムで撮ったというのは非常に私は驚いています」「アメリカの技術力の高さに改めて感心している」

沈没した東シナ海を望む枕崎市や徳之島の伊仙町には、鎮魂之碑や慰霊碑が建てられています。枕崎市の平和祈念展望台で太平洋戦争について語り継ぐ活動をしている北川忠武さん(81)は「映像を見ることで若い世代にも改めて戦争の厳しさを再認識してほしい」と話します。

(北川忠武さん)「空と海の戦いは、海側の方が圧倒的に不利だということを感じたのと、若い方々もこういう海戦があったという事実を、この動画を見ることによって、改めて戦争の厳しさを再認識していただけたら」

今回公開された映像には、鹿児島市鴨池地区にあった海軍鹿児島飛行場へ、アメリカ軍機がロケット弾などで攻撃する様子もあります。また、終戦前日に九州各地で民間の貨物船が空襲を受ける様子などが鮮明に記録されています。

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