1300年以上の伝統を誇る、岐阜市の長良川鵜飼。5月11日に開幕しましたが、実はサッカー元日本代表の柏木陽介さんが、観覧船の船頭デビューを果たしました。その理由とは?

11日、長良川鵜飼の開幕を前に集まった船頭のみなさん。その中に、サッカー元日本代表の柏木陽介(かしわぎ・ようすけ)さんの姿が。

(柏木陽介さん 36歳)
「鵜飼の船頭デビューをさせていただきます」

去年までJ3のFC岐阜でプレーしていた柏木さん。現在はクラブアンバサダーを務め、岐阜県内の小学校でのサッカー教室などで精力的に普及活動も行っています。では、なぜ船頭に?

(柏木陽介さん)
「岐阜県が盛り上がればいいなという思いはたくさんありますし、FC岐阜も盛り上がるし、相乗効果になればいいなと思う」

いよいよデビュー「サッカーの試合より緊張」

柏木さんは兵庫県出身で、3年前から岐阜県在住。今回、一般応募者として面接を受け、研修を受講し見事合格しました。

船頭デビューの日には、多くのサポーターの姿も。

(柏木さんのファン)
「(FC岐阜の)サポーター歴15年。柏木さんに岐阜の船頭をやってもらえるなんて、すごくうれしい」

(柏木さんのファン)
「スターの方が私たちの町を盛り上げるために力を発揮してくれるのは、涙が出るくらいうれしい」

(柏木陽介さん)
「正直マジで緊張してます。パニックです。一生懸命船が前に進むように頑張ります」

Qサッカーの試合より?
「余裕で緊張しています」

午後7時前。いよいよ、柏木さんの船頭デビューです。

(柏木陽介さん)
「長良川鵜飼にご乗船いただき誠にありがとうございます。初心者で不慣れな点はたくさんあると思いますが、楽しい鵜飼の旅になるよう心がけていくのでよろしくお願いします」

サッカーのピッチから清流・長良川に舞台は変わっても、その表情は日の丸を背負った当時と同じく真剣そのもの。全身を使い観覧船を前に…前に。

(柏木陽介さん)
「めっちゃきついです。手を伸ばしている方に体重を取られかける」

そして午後8時。1300年以上の歴史を誇る長良川鵜飼の開幕です。かがり火が川面を幻想的に照らす中、鵜匠が巧みに鵜を操ってアユを捕まえる伝統の技を披露。6隻の鵜舟がゆっくり川を下りながら漁をする「総がらみ」では、見物客から大きな拍手が。

ことしは新型コロナ対策の観覧船の乗客数の制限が5年ぶりになくなり、この日の乗船客は去年の開幕時の約1割増し(=745人)でした。そして無事、船頭デビューを終えた柏木さんは。

(柏木陽介さん)
「どのタイミングで漕ぐとか止めるとか。ここが浅いなとか大きい石があるなとか。そういうところは少しサッカーと似ている。常に頭を動かしながら視野を広く持つ。自分の実力も上げていきながら、鵜飼を盛り上げていけたらと思う」

現役時代は司令塔のMFとして試合の舵を取ってきた柏木さん。サッカーの仕事を続けながら、鵜飼観覧船の舵を手に、その魅力を伝えていく日々が始まりました。

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