どうすれば速く走れるのか…科学でその方法を探ろうと米子高専が研究しています。
広島県の中学3年生、三好美羽さんは100メートルを11秒79で走る今注目の若手アスリートで、その斬新なフォームにも注目が集まっていますが、独特なフォームでなぜ速く走れるのか…その姿を映像解析し、短距離走の支援アプリを開発しようと高専生が奮闘しています。

3月、倉吉市の倉吉市営陸上競技場。

地元の中学生などに向けて、陸上・短距離走の競技指導を行うのは民内利昭さん。東京大学で陸上に関する研究などを行ったのち、現在は千葉県の公立高校教諭を務めています。

生徒たちが競技力向上に励む中、その横で、何やらパソコンをいじる人たちが。一体何をしているのかというと…

米子高専 専攻科2年 矢田ほのか さん
「スーパー中学生の三好さんと、肩を大きく使った走り方のデータをとらせてもらって、その選手がほかの普通の走り方をしている選手と、どういった違いを持った走り方をしているのかというところを計測しています」

科学を用いた、速く走る方法の研究です。

この日の競技指導に参加していた、広島県の中学3年生、三好美羽さん。中学2年生で出場した大会で100メートル11秒88という記録をたたき出した今注目の選手です。

斬新なフォームで走る三好さん。
速すぎて、大会では独走状態になることも…この走りを指導した民内さんは、三好さんのスピードの秘密をこのように話します。

東京大学博士号取得 民内利昭さん
「簡単に言うと、身体全体を使ってうまく走っています。今までの短距離走ですと、胴体を完全に止めて、固定して手と足を振るという状況で走るのが日本の主流だったと思うんですが、これを体の上体をうまく使うことによって、体全身を使って前へ進ませる」

体の中心を固定して手足だけを動かすのではなく、体全体を動かして走るのが三好さんの走法。

そこで今回、米子高専は三好さんの走っている姿を撮影し、その映像をAIを用いて解析。なぜこのフォームで速く走ることができるのか、三好さんの体の動かし方を数値化しようと研究を始めています。

米子高専 専攻科2年 矢田ほのか さん
「スマートフォンで撮影した映像から、いろんな関節の角度を計算したりだとか、伸展角度を計算したりだとかして、ユーザーに自分の走りがどんな特性を持っているのかというのを提供できるようなサービスを目指しています」

研究では、腕や肩・ひざなどの各関節を支点に、それぞれの部位がどれほど曲がりながら動いているのか、数字で可視化できるようにしています。

自身の走り方を映像やセンサーを用いて測定するのは初めてだという三好さん。
この日、実際に走って、米子高専が解析したものを見てみると…

福山市立神辺西中学校 3年 三好美羽さん
「お~、え~なんかすごい、面白いです。今後直すところとか、着地の角度とかはできるだけフラットにいった方がいいので、そういうところで分析していただけると、本当に助かります」

しかし、一体なぜこのようなアプリ開発をしようとしているのでしょうか。そこには開発者の矢田さんならではの思いが詰まっていました。

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