コロナ禍で「密を避けられる」などとして人気に火が付いた「キャンプ」。
新型コロナの「5類移行」から1年が経ち、ブームに変化はあるのでしょうか。
最近の「キャンプ事情」を取材しました。
標高およそ1200メートル、遅めの春が訪れた長野市の戸隠キャンプ場。
今年の大型連休も多くの人でにぎわいましたが、コロナ禍だった2、3年前はさらに混雑していたようです。
武井智史 営業副支配人:
「当時は始めて間もない方とか、初めてのキャンプ場という方が非常に多かったという印象で、使い勝手がわからないとか、不慣れな方とか、いろんなお客さんがいらっしゃったというイメージです」
コロナ禍をきっかけにキャンプを始めたという大阪からの一家は。
「キャンプブーム落ち気味とか言ってるんですけど、残っていく人と終わっていく人がいるのかなと。楽しいですね」
「僕の場合はテント立てるのが一番好きで」
ベテランのキャンパーからは一時のブームが過ぎ、予約が取りやすくなったとの声も聞かれました。
キャンプ歴10年:
「コロナ禍は戸隠混んでて、すぐ隣に人がいるみたいな感じなんで、別のキャンプ場とか人が少ないところに行ってましたね。いま落ち着いてますね」
長野市のアウトドアショップ。
コロナ禍の間はブームに加え、流通が滞り、極端な品不足に陥ったと振り返ります。
青木三奈さん:
「テントを売るのにすべて抽選販売を行うレベル。店頭に並べることができず、お客様も欲しくてもなかなか手に入らないという状況は、あの2,3年は続きましたね」
去年ぐらいから客足は落ち着いたということで、今は豊富な品揃えの中からゆっくり選べるようになりました。
青木三奈さん:
「コロナ前の水準よりちょっと落ちてる状態ではあります。でもコロナでブームだったことで、離れてたお客さんが戻ってきたりとか、空いてきたからやろうかというお客様もいらっしゃいますね」
県内ではここ数年、新たなキャンプ場も増えています。
長野市の「鬼無里ランタンヴィレッジ」は2022年秋にオープン。
かつてはマレットゴルフ場でしたが、その後、放置状態だった土地を、埼玉県から移り住んだ夫妻が4か月かけて整備しました。
鬼無里ランタンヴィレッジ 加藤公子さん:
「(最初は)ジャングルでした。すごかったです」
「犬がいるので、のびのび暮らせるかなと思って決めました」
そんなオーナーが手掛けたキャンプ場の特色が、ドッグラン。
敷地の一部に柵のある、広々とした区画が設けられていて、テントはもちろん、車の乗り入れも可能です。
利用客:
「ペットオッケーなところはすぐ埋まっちゃうから、なかなかないかもしれない」
「前より(ペットOKのキャンプ場が)少なくなった、厳しくなったような気がします」
ここの環境どうですか?
「最高じゃないですか、めっちゃいいところですね、きれいだし」
今回がキャンプデビューというファミリーも。
「電源つき(の区画)にしたんです。初めてだから」
カセットコンロと鍋で初めて炊いたご飯は…
食べれる?
「うん」
ところで、なぜ初キャンプを?
父親:
「キャンプというより、星を見ようと思って」
様々な場所でキャンプをしてきたという家族も、初めて鬼無里を訪ねた理由が。
父親:
「きょうも星を楽しみに来たから」
このキャンプ場の強みは、満天の星。
季節によっては、夜空を渡る天の川を見ることもできるそうです。
今年は敷地内の桜をライトアップするなど、夜をさらに楽しんでもらう工夫をしています。
キャンプに求めるもの、感じる魅力は様々です。
会社のキャンプ友達と:
「一番はたき火をしたかった」
焚火の魅力は?
「いやし、癒しのみですね。昼からできる時は暑くてもつけてますね」
千曲市から姉妹で:
姉:
「もともとぼーっとしてるのが好きなので、ぼーっとしてるのが楽しい」
妹:
「一番はごはんかな」
「外のほうがおいしいです」
千曲市から夫婦で:
「(始めたのは)ブームに乗ったというのもあるんですけど、それからゆったりした時間が楽しくて。自然がすごく癒される」
落ち着きを見せたキャンプブーム。
関係者は「アフターコロナ」にも目を向けています。
コロナ禍で一時は「過熱気味」ともいえる売れ行きを見せたキャンプ用品。
反動で、専門店にとっては「買い替え」が期待される2025年ごろまでは「ガマンの時期」だといいます。
青木三奈さん:
「テントも買って使い続けられるかというとそうでもない。アフターフォローがきちんとできるブランド(の品揃え)を心がけています」
一時期のキャンプブームで他業種からの参入も相次ぎ、機能や価格帯の幅も広がってきているといいます。
青木三奈さん:
「紫外線対策、虫よけ機能もあるっていう商品が今は買いやすくなっています」
「このメーカーさんは、もともと水着を作るメーカー。キャンプする人がいてというのが(参入の)きっかけだったみたいです」
県内では「老舗」といえる長野市の戸隠キャンプ場。
コロナ禍を経て多様になった「宿泊」のスタイルに対応しようと、トレーラーハウスを導入し、コテージも改装しました。
武井智史 営業副支配人:
「キャンプ以外でも楽しめる滞在の宿泊施設を増やすということをやってまして、あとは利便性高くなるように改修して使いやすくするということと、自然を残すところと、うまく共存させるようにしています」
2022年の秋に開業した長野市鬼無里のキャンプ場。
県内ではそれほど多くない通年営業にしたところ、冬に雪の中でキャンプを楽しみたいという人が訪れ、手ごたえを感じたそうです。
鬼無里ランタンヴィレッジ 加藤公子さん:
「ずっと来てくれているお客さんからは『これ以上、高規格にしないでくれ』と言われるんです」
「ほんとのキャンプ好きが来てくださってるのかなと思うので、当分はこんな感じでやると思います」
コロナ禍ですそ野が広がったキャンプ。
自然豊かな長野県で、これからどのような「キャンプ文化」が育っていくのでしょうか。
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