国内の西洋式劇場として最も長い歴史を持つ帝国劇場(東京都千代田区)が来年建て替えられるのに合わせ、障害がある舞台ファンらでつくる団体が10日、バリアフリー化を求める2万1000筆の署名を、劇場を運営する東宝に提出した。

署名を提出したウィー・ニード・アクセシブル・シアターのメンバー=10日、東京・霞が関の厚生労働省で

 団体は「ウィー・ニード・アクセシブル・シアター」。昨年10月からオンライン署名活動を展開していた。  この日は、せりふに合わせてスクリーンに字幕を映す「リアルタイム字幕」の導入や手話通訳などのサービス、障害のある出演者にも配慮した楽屋の整備などを要望。東宝側は「共同で建て替え事業を進める他の会社と、署名を受け取ったという情報を共有したい」と応じたという。  呼びかけ人の広川麻子さんは「障害がある利用者の意見を聞いた上でより良い劇場をつくっていただくという、そのプロセスこそが大事。伝統ある劇場が先頭となり、そうしたプロセスをスタンダードにしてほしい」と対応に期待した。  団体は今後、国にも観劇サポートに対する助成や支援を増やすよう求める方針だ。(小沢慧一) 

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