政治資金規正法の改正に向け、自民・公明両党は9日、改正案の概要をまとめましたが、自民党内からも「危機感が足りない」などと、より厳しい案を求める声が相次いでいます。

■規制法改正で“裏金根絶”?合意の中に曖昧さも

日比麻音子キャスター:
改正案は9日、自民公明両党による9つの項目のうち7つで合意となりました。2つについて詳しく見ていきます。

政治資金パーティー券の購入者の公開基準について
・自民党は10万円を超えた場合
・公明党は5万円を超えた場合
⇒与党案は引き下げる方向ではありますが「金額は明記せず」ということになりました。

続いて政策活動費について。
使途の公開義務はありませんでしたが…
・自民党は項目ごとの支給額を公開
・公明党は使途を公開
⇒与党案としては使途を報告・収支報告書に記載をする。ただ「公開範囲は明記せず」ということになりました。

東京大学准教授 斎藤幸平さん:
この間の3補選で、全部自民党が負けたじゃないですか。もっと危機感を持った改革案が出てくるかなと思ったら、全然国民の方を向いてない「なんちゃって改革案」しか出てこなかったので、ほとんど自浄作用が期待できないなという感じです。

例えば、政策活動費以外にも議員との連帯責任を求めるような連座制であるとか、維新や共産党が求めているのは、そもそも企業献金・団体献金を禁止するべきではないかとか、そういうことに対して全然踏み込みがないわけですよね。公明党もそれに乗っかってしまっている。

さらに言うと、そもそも裏金問題でいろんなお金が結局どこに使われたのかということについて説明責任が果たされないまま、こうした改革案だけ何となく出てきて幕引きとなってしまえば、本末転倒だなという感じです。

日比キャスター:
この疑惑の真相について、明らかになっていないところばかりで、改正案だけ進めるのは一体どういうものなのかという印象を受けます。どのようにまとまっていくのでしょうか。

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<プロフィール>
斎藤幸平さん
東京大学准教授
専門が経済思想・社会思想
著著『人新世の「資本論」』50万部突破

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