12日に初日を迎える大相撲夏場所ですが、石川県津幡町出身の大の里が新小結として土俵に上がります。新入幕からの2場所はともに11勝4敗と大きく勝ち越し、特に春場所では千秋楽まで優勝争いに絡む活躍を見せました。
【写真】新三役・大の里のアマチュア時代
新三役の場所、いったいどれほど活躍することができるのか。石川県出身の先輩力士の過去の成績から占ってみます。
「黄金の左」元横綱・輪島
優勝14回、学生相撲出身力士として初めて横綱まで上り詰めた七尾市出身の輪島。幕下付け出しのデビューから2年後の1972年(昭和47年)に小結に昇進します。輪島は新三役のプレッシャーをものともせず、当時の横綱北の富士を破る活躍を見せ、10勝5敗の成績で殊勲賞を獲得しました。ちなみに、この場所優勝した平幕の栃東の成績は11勝4敗で、あと1番勝っていたら輪島の初優勝があったかもしれません。
「出る出る出島」元大関・出島
金沢市出身の元大関出島の新三役は1997年(平成9年)の九州場所でしたが、小結を越して関脇への昇進でした。平幕で大勝ちをするような場合は一気に関脇に上がるケースがありますが、出島もその1人でした。先に関脇を経験する形で臨んだ出島の序盤は好調でしたが、けがで無念の途中休場。5勝3敗7休に終わりました。
「大の里と同じ幕下10枚目格付け出し」最高位小結・遠藤
現役力士で穴水町出身の遠藤は、大の里と同じ幕下10枚目格付け出しでデビューしました。幕下を2場所で通過したところも同じ歩みです。遠藤の新三役は2018年(平成30年)の夏場所で小結でした。人気は抜群の遠藤へのファンの期待は高かったものの、3勝10敗2休の結果に終わりました。本場所でのけがで休場しながらも途中出場して懸命に土俵を務め真摯な姿勢を見せましたが、新三役の場所は振るいませんでした。
この夏場所でまげを結うようになり、デビューからわずか6場所で新三役となった大の里ですが、4月30日の番付発表のときには、初場所と春場所を振り返りながら「優勝というものが夢から目標に変わった瞬間でもあったので、この目標を持ち続けてがんばりたい」と語っていました。
得意の突き押しがさえたときはもちろん、四つ相撲で十分な体勢でなくても勝つ一番もあるなど、春場所ではすでに地力のあるところを見せた大の里。
ともに角界をけん引する存在として期待される声もある尊富士が休場なのは残念ですが、石川のファンが期待するのは唯一の学士横綱・輪島の新三役デビューを越えるような活躍といえそうです。
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