“威圧的な言動”が問題視されている自民党の長谷川岳・参議院議員…本人は「表現方法が極めて無自覚だった。全面的に変えていく」と反省、謝罪していますが、ある会合の音声データを聴いてみると、その表現方法の実態は、声を荒げ、一方的に激しい叱責などをくり返すものだったことがわかりました。
HBCが入手した札幌市との会合の音声データ…そこでは約30分間、下記のように姿のない職員の実名も上げ、まるで恫喝まがいの激しい叱責がくり返されていました。
■音声データの長谷川氏
「今日は水素担当は来てるの?なんで、帰らせてるの?一緒じゃん、GX(グリーントランスフォーメーション)に関連する分野の人を全員集めてって言ったでしょ!」
「身内を大事にしない人間が、何で“チームさっぽろ”ができるんだよ!なんで、気がつかない!」
「どうして、メッセージとかさ、そこの札幌市の連中!〇〇とかさ!みんな、あなたもそうじゃん!」
「みんな仕事するけど、そういうところ、一番大事にしなきゃいけないところを無視じゃん!信じられない!」
「おまえ、一番仲間で、一番大事にしないといけないところ、大事にしてない!」
「この(新聞の)記事出た瞬間に、僕なら『これは、金融機関だったら起こるよね』と思うから、火消しに入るかと思いきや、誰も何も言わない」
「それも何でですかって、こんなんは、別にそう大した記事じゃありませんって、〇〇!狂ってるよ!」
「あなたも毎回、毎回、こっちは勉強しながら各省庁の皆さんと笑い合いながら、要は規制緩和、全部通すようにやってるよ」
「あんたから、ありがとうも、クソも、メールもない!ありがとうもない!結果もない!誰が、おまえは、って感じだよね?」
■札幌市の職員
「はい、申し訳ございません」
「ありがとうございました…」
■音声データの長谷川氏
「もう1回、その上で申し訳ないけど、札幌市の組織変えてください」
「サービス精神のない人が、サービス精神が必要なところをやっちゃだめです」
「サービス精神が必要で、調整が必要でって、調整の得意な人がやってください」
「みんな、適材適所でいいんです」
「無理なところに無理な人材突っ込んでもダメですよ、もう1回、調整し直して」
「札幌市でこれ終わったら、もう1回、会議やってください」
「このままでは通用しない、はっきり言います!」
このあと、経済戦略推進部が取材を受けた新聞記事の内容が再び蒸し返されて…
■音声データの長谷川氏
「向いてない人を向いた場所で、人は活躍しないといけないので、向いている人を置いてください」
「向かない人を置いても、それは、その人の生き方があるし、生きたままの価値観があるから、無理な場所は無理です」
「札幌市さんは残して帰りましょう!ここ、札幌市の会議場所にして!」
この音声データなどについて、12日午前、東京都の議員会館で取材に応じた長谷川氏は…
■取材に応じた長谷川氏
「それに関して、いや、それはあると思いますね
「熱くなるタイプですので、 どうしてもやっぱり地域、その方針がやっぱりその地域に根ざしてないとか、あるいはどうしても、ここまでやらないといけないスピード感の中で、どうしても国と調整の中で追いついてないとか、そういうところについてはですね、やはり追いつくように話をしますし…」
「でも、そこはやっぱり表現方法として変えていくべきことだと。 こういう表現方法はやっぱり避けるべきだと、事務所のスタッフからも厳重に注意をされました。そこで初めてですね、3月24日以降、お恥ずかしいんですが、やっぱりスピード感と、そういう政策の活動を基本に、表現の丁寧さっていうのは最優先事項だと思って入れさせていただきました。そこはもう、徹底します」
長谷川氏について、札幌市幹部の幹部からは「GX(グリーントランスフォーメーション)や丘珠空港などの市の政策に対して、他に誰が一生懸命、力を入れてくれるかというと、長谷川議員の他にはいない」と当選3回の手腕を擁護の声も聞かれます。
また、札幌市の秋元市長も10日の会見で「上司と部下の関係ではない」として、長谷川氏の言動が“パワハラ”などの行為等にあたるかについて「調査しない」と発言。
札幌市としては、これ以上、問題を長引かせたくないという思惑とも受け止められますが、関係の職員は「がく然としている。職員を守らないんだと感じた」と憤りました。
この他、長谷川氏をめぐっては、下記のような指摘、問題が明らかにされています。
◆予算成立時の北海道の対応
・「計画推進課」が各部署に御礼するよう、何度も連絡
・部長職は上空の機内でも、Wi‐Fiが使える場合は成立時に即
・Wi‐Fiが使えない場合は、空港到着時に即
◆北海道幹部4人の出張
・去年1年間で60回以上、費用は約520万円
・約2割は長谷川氏だけに会うため
・会議に出席するよう言われて行っても、本人不在ケースあり
・前日の夕方「明日の午前9時に来るように」の急な指示
◆ある自治体職員の証言
・役職につくと、必ず東京都まで出向いて直接挨拶の“面通し”習慣化
・東京都まで出向いても、1分も会わずに「今日は、いい」の対応も
・いわゆる“出禁”になった職員は、少なくても5人
・すべて長谷川氏のペースでなければ、物事が進まない
・自治体のトップ、幹部は、これまで“黙認”
こうした指摘、問題について長谷川氏は、前日の急な指示で東京まで出向かせる出張、挨拶だけの出張、意に沿わない職員の“出禁”などについて「基本、ないですね」と否定。
その上で、長谷川氏は「表現方法に無自覚であったことを非常に恥じています。全面的に自分自身の表現方法を変え、変えてゆく」とし、議員辞職については「当然ながら、地域活動を全身全霊で、地域のために活動してまいります」と、その考えがないことを強調しました。
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