東京電力福島第1原発で発生した汚染水を浄化処理した後のトリチウムを含む水の海洋放出で、東京電力は7日、5回目の放出を終えたと発表した。4月24日に原発構内で停電するトラブルで放出は6時間半中断したが、終了日は計画通りだった。

◆トラブル続発を受け作業手順の確認を始める

福島第1原発(資料写真)

 本年度初の放出。東京電力によると、19日から約7850トンを放出した。トリチウムの総量は1兆5000億ベクレル。原発周辺の海水に含まれるトリチウムの濃度は5月3日、これまでで最高の1リットル当たり29ベクレル(放出口から北200メートル地点)を検出したが、放出停止を判断する700ベクレルは下回った。東京電力の担当者は「放出した処理水が少し高めの数値になっていた」とした。次回の放出は早ければ5月中で、約7740トンを計画する。  停電トラブルは構内の掘削作業中、作業員が誤って深く掘りすぎて電源ケーブルを損傷させたことが原因。ここ最近、汚染廃液漏れや作業員の被ばくなどトラブルが相次いだことから、東京電力は約800件の作業の手順を確認する点検に入った。2015年以来という。東京電力の担当者は「連休明けはまず作業の点検を実施し、問題ない作業から着手している」と説明した。(荒井六貴、渡辺聖子) 

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