任期満了に伴う知事選挙は7月7日の投開票まで2か月となりました。これまでに出馬を表明したのは2人です。

1人目は現職で2期目を目指す塩田康一さん(58)。経済産業省の出身で2020年の知事選に立候補し、初当選しました。2人目は新人で元自民党県議の米丸麻希子さん(49)。2019年に県議選・姶良市区で初当選し、今年3月、県議を辞職しました。知事選では2人とも無所属での立候補を予定しています。

さらに、野党系の市民団体も候補の擁立を模索しているため、選挙戦の構図は固まっていません。来月20日の告示まで2か月を切った大型連休を中心に、2人の活動を振り返ります。

塩田さんが今月2日、訪問したのは奄美大島でした。初めて推薦を受ける自民党の県議と一緒に企業や団体を訪ねたあと、奄美市で後援会の事務所開きをしました。

(塩田康一氏)「1票1票を積み重ねていく丁寧な活動をしていきたい。一人一人の支援の輪を広げてもらうよう心からお願いし、奄美群島の発展のために皆さんとともに力を尽くしたい」

奄美大島に全部で5つある市町村は、すべての首長がそれぞれの自治体で塩田さんの後援会長を務めます。

(奄美市 安田壮平市長)「実に安定した行政運営の手腕を発揮してもらっている。われわれもしっかりとギアを上げて加速し、知事を応援したい」

公務を休み、大型連休を利用した島々でのあいさつ回り。子どものころ、数年過ごした徳之島の闘牛大会でもマイクを握りました。

種子島で開いた県政報告会には衆議院鹿児島4区選出で、自民党県連の森山裕会長も激励に駆け付けました。

(自民党県連 森山裕会長)「引き続き、県政を担ってもらうことが種子島のためにも、鹿児島県のためにも、わが国のためにも大事なことだと思っている」

塩田さんは現職の知名度を生かし、2期目の当選に意欲を見せます。

(塩田康一氏)「今までの草の根で応援してもらっていた方々にプラスし、自民党の応援やそのほかの政党、団体の皆さんからも広く支援をもらえたらありがたい」

米丸さんは出馬を表明した先月以降、県内各地を回っています。

鹿児島市で辻立ちをした今月1日、立ち寄ったのは、県が新たな総合体育館=スポーツ・コンベンションセンターを計画している鹿児島港本港区のドルフィンポート跡地です。

(米丸麻希子氏)「(体育館は)ここの場所に建設してほしくない。365日、若い人からお年寄り、障害者まで自由に太陽の光を浴びながらエンジョイできる場所にしたらいい」

知事選に向けて「ドルフィンポート跡地に代わる新たな候補地を提案したい」という米丸さん。その訴えに賛同した鹿児島県出身のデザイナー・今井千恵さんからもバックアップを受けます。

(デザイナー 今井千恵さん)「これからは女性の時代。篤姫を出そう」

鹿屋市で開かれた集会には、今井さんが招待したタレントのデヴィ・スカルノさんの姿も。

(デヴィ・スカルノさん)「埋立地に建造物を建てるのは反対だと声を上げてほしい。ぜひ米丸さんを応援してほしい」

米丸さんは地元・姶良市以外での浸透にも力を入れたいと話します。

(米丸麻希子氏)「(Q.自分の知名度は?)全然。10人に会って1人ぐらいしか私の名前を知らない。草の根。あと2か月しかない。何とか知ってもらえるように熱意を届けるしかない」

(キャスター)池田記者は取材を通してどう感じましたか?

(池田記者)7月7日投開票の「七夕決戦」に向け、前哨戦も選挙戦さながらの熱を帯びてきたという印象を受けました。

(キャスター)知事選は南北600キロと広い選挙区ですが、どうみていますか?

(池田記者)知事選は前々回、前回といずれも現職が敗れ新人が当選しています。4年前の前回、8年前の前々回の結果をみてみましょう。

前回は塩田さんや当時の現職・三反園訓さんら県政史上最多の7人が争いました。市町村ごとの結果に注目すると、有権者の数が6万人を超えたのは、鹿児島市、霧島市、薩摩川内市、鹿屋市、姶良市の5つです。

県全体の6割を占めていて、このうち、三反園さんは鹿屋市でリードした一方、塩田さんは鹿児島市や霧島市など4つの市で三反園さんに勝利し、初当選しました。
また、8年前の前々回、新人の三反園さんと当時の現職伊藤祐一郎さんの戦いでも三反園さんが5つの市すべてで勝利し、初当選しました。

(キャスター)都市部でどれだけ票をとれるかが情勢に影響するわけですね。

(池田記者)はい、ただ知事選は鹿児島のリーダーを決める「全県選挙」です。都市部や農村部、離島など、地域の異なる課題にどう向き合い主張を展開するのかが重要です。

政党では自民党や国民民主党の推薦を受け、組織力も生かした戦いを見据える塩田さんに対し、特定の組織の支援に頼らない草の根の活動を続けたいという米丸さんがどう浸透を図るのか。今後の動向に注目したいと思います。

県知事選挙の告示は来月20日、投開票は7月7日です。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。