『フレイル』という言葉をご存じでしょうか?

加齢とともに心身の活力が低下し、要介護状態となる危険性が高くなった状態をいう『フレイル』。制限のない日常生活を送る“健康寿命”について考えるとき、このフレイルを予防するための「運動・食事・交流」が効果的と言われています。

このフレイル予防3要素の“全てを備えた”図書館施設が新潟市北区にできました。
新潟市北区に3月にオープンした図書館『なかまちBase』。
コンセプトは「一生通える図書館」です。

『なかまちBase』には、子どもが好きな絵本も含め幅広い世代の人が楽しめる本が並んでいますが、別の棚には意外なものが…。

「こちらは握力計で、こちらは血圧計。血圧を測ると同時に心電図も測れるという機械になります…」

他にも、ダンベルや、体幹トレーニングに使うゴムバンドなど、普通の図書館にはない物がズラリと並び、しかも、管理栄養士からの食事指導も受けることができるんだそうです。

【街のチーム医療ぱれいど 小林利道代表】
「健康に生きていくために必要な三つの要素「運動・食事・交流」、この三つが全てワンストップで実践できる場所になっています」

地域住民の寿命を伸ばそうという思いで、新潟市北区にオープンした図書館施設『なかまちBase』は、看護師や臨床工学技士などの医療従事者が運営しています。

【街のチーム医療ぱれいど 小林利道代表】
「健康寿命を伸ばすためには“フレイル”を予防しなければいけない」

『フレイル』とは、加齢とともに心身の活力が低下して“健康と要介護の中間”になった状態をいいます。そのまま放っておくと要介護につながる危険が高まる状態ですが、早めに気づいて適切な取り組みを行うことで活力低下の進行を防ぎ『健康寿命』を延ばすことができます。

フレイルには大きく分けて3種類ある

(1)身体的フレイル
   身体的な衰え
(2)精神・心理的フレイル
   定年退職や、パートナーを失ったりすることで引き起こされる
(3)社会的フレイル
   社会とのつながりが希薄化することで生じる

この3つを予防するには『運動・食事・交流』が効果的と言われています。

新潟市北区にある『なかまちBase』では、例えば「身体的フレイル」予防のためのトレーニングを教えるなどの取り組みを行っています。

「高齢者の話ですと、徐々に下半身の筋肉が衰えてきてしまって、今まで歩けていたのに歩けなくなっていく問題がありますので、上半身よりも下半身を重点的に、トレーニングをやって頂いています」

また、「社会的フレイル」を予防する仕掛けが“本棚”にありました。

「皆さんの好きなものを通じて、交流の輪を広げていくのが狙いの一つです。一つひとつの本棚を街の人が借りて、その方が私物を持ち寄って頂いて展示している」

新潟市北区では、生活習慣病を予防するための特定健診の受診率が28.4%と、市内8つの区の中で最も低くなっていますが、『なかまちBase』では健康促進に関するイベントも定期的に開催するなど、地域の健康課題についても住民に寄り添いながら取り組んでいきたいとしています。

【街のチーム医療ぱれいど 小林利道代表】
「厳密に言うと医師ではないので、ここでは診断はできません。しかし、日常の生活の中で困っていることや気になることであれば、私たちに相談にして頂ければ、私たちが地域に集まって生活の中で皆さんに寄り添うことを形にしていきたい」

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