宮崎県三股町にオープンした古着屋さんに注目します。
店では地域住民を巻き込んだ「もったいない」をなくすSDGsな取り組みが行われているんです。どのようなお店なんでしょうか。

先月27日、三股町にオープンしたとある古着屋、その名も「NAZO」。


店内には子供用から大人用まできれいな服や個性的なものなど200点以上のアイテムが並んでいます。


一見、普通の古着屋と変わらないように見えますが、一体、どこが「NAZO」なんでしょうか。

(NAZO 堀田志穂 店長)「こちらで販売しているのが、そういった地域の方やいろんな方が着なくなった服を寄付してもらって、それを私たちがピックアップしてきれいにして店頭で販売している」


古着屋では買い付けをして販売するのが一般的ですがこちらの店では取り扱うほとんどの洋服を地域住民から集めています。

何が集まるか分からないから「NAZO」

実はこの店は三股町社会福祉協議会が地域活性化プロジェクトの一環で始めたもので、10年以上、活用されていなかった建物をボランティアらがリノベーションし、オープンを実現させました。


(NAZO 堀田志穂 店長)「このあたりが洋服屋さんが少なかったりとか何か若者が気軽に遊びに行ける場所が少ないというったところから地域の空き家を活用して新しい居場所をつくれたらというところで始まった」
地域の人たちが持ち寄る様々なアイテム。
何が集まるか分からないから「NAZO」の服屋というわけなんです。

(NAZO 堀田志穂 店長)「例えばこういう明らかにジャイアンツファンだったんだろうなという方が寄付してくれたりだとか、なぜかこういった三股の地域のレンジャーもののパーカーだったりとかどういうものが集まって来るか分からないのがなぞというところがおもしろいところ」

カイシュウモンスター

アイテムの回収に一役買っているのがこの可愛らしいボックスです。


「こちらはカイシュウモンスターという三股町に現れるモンスターです」
記者「カイシュウモンスターとは何ですか?」
「キナクナッタヨウフクチョウダイと書かれているが地域の方で自分ではもう着ないけどまだまだ着られる服や思い入れがあってなかなか捨てられないもったいない服をこのカイシュウモンスターに食べさせてあげて、この食べられた洋服をお店で循環させる取り組みをしている」

「カイシュウモンスター」と名づけられたボックスは社会福祉協議会など町内5か所に設けられ、回収した服はスタッフが状態を確かめ、クリーニングをしたあと、店で販売されます。

「カイシュウモンスター」は宮崎市若草通りにも生息

服1点1点のタグにNAZOメモ

この日も店にはカイシュウモンスターのもとに洋服やバッグなどを持ってくる人たちが。

(洋服などを持ってきた人)「昔若いときに着ていた服でどうしても捨てられなかったが、ここだったらいろいろ再利用して素敵な洋服になったらいいなと思って持ってきた」
(洋服などを持ってきた人)「娘が1回買ったがほとんど着ていない服とか主人の着なくなった服をもってきた」「若い人たちがこうやって楽しめるところがあると三股も活気づくのではないかと思った」

また、店では買い物を楽しめるよう、服にこんな工夫も…。

(NAZO 堀田 志穂 店長)「服1点1点のタグにNAZOメモというものが付いていてこの洋服だったらTシャツワンピースなんでも合うよという風にコーディネートのアドバイスやこういった大喜利が書かれている服とかもあって、『これだったらこんなコンビニ嫌だどんなコンビニ?』とかでおもしろいのが来てくださったお客さんとかがここに書いてくれるこういうタグからも何かコミュニケーションが生まれたらという工夫をしている」


まちの様々な人たちが作り上げている古着屋。地域のつながりが生まれる新たな居場所になりそうです。

(NAZO 堀田志穂 店長)「自分ではいらないと思っていても、ほかの人からするとすごくほしかったものだったりとか発掘されるというか、そういうのをおもしろがってくれる方とかもたくさんいるので、「地域の方から頂いた服にまつわる思いでや思いを一緒に地域で循環させて町を盛り上げていけたら」


回収したアイテムは販売するだけではなく、今後は経済的な理由で生活に困っている人に寄付することにしているそうです。

ちなみに使用済みの靴下や下着、汚れや損傷が激しいものは回収できないということでお気を付けください。

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