2024年もクマによる被害が出てきています。一方で、九州では「野生のクマがいなくて安心」という声を聞きます。2023年10月31日掲載の「かつて九州にはクマがいた なぜ今はいない? 全国で相次ぐクマの被害 本州から海を越え上陸はあるのか」の記事を再掲載します。

全国各地でクマによる人への被害が相次いでいます。
各地で出没し、連日、全国ニュースで報道されていますが、九州ではすでにクマは絶滅しているとされています。
なぜ、九州にはいないのか、理由を調べました。

今年 クマに襲われたのは全国で109人

各地で相次いでいるクマの被害。岩手県では、30日、クマが住宅敷地内の倉庫に居座り続け、警察や猟友会によって駆除されました。

環境省によりますと、今年、全国でクマに襲われるなどの被害に遭った人の数は先月末時点で109人。
被害は全国各地で増えていて、特に多いのが岩手県と秋田県です。

一方、九州では被害がありません。

2012年に環境省が絶滅宣言

(中野光樹記者)
「こちら県の博物館です。イノシシやシカ、ニホンザルなどが野生動物として展示されていますが、クマは見当たりません」

(宮崎県総合博物館 竹下隼人主査)
「2012年に環境省の方が絶滅宣言を出している。それで九州産のクマもいないというふうに言われている」


実は九州では、野生のクマはすでに絶滅したとされています。

その理由について博物館の担当者は・・・

(宮崎県総合博物館 竹下隼人主査)
「九州の山というのは、人工林が非常に多い。人工林というのは、クマが冬眠をする際のエネルギー源になる『どんぐり』、こういったものが実らない。冬眠をする場合のエネルギー源がないということで、クマが生きていけないのではないか」


ほかにもクマがいない理由として、「九州の山はそれぞれが分断されているため、広い面積を生息地とするクマが生きにくいことも関係がある」ということです。

祖母・傾山系で2000年にツキノワグマ目撃の情報が相次いだことも

ただ、県内ではこれまでクマの目撃情報が相次いだ時期も・・・

高千穂町の祖母・傾山系では、2000年にツキノワグマを目撃したとの情報が相次ぎ、その際に、クマの姿をとらえようと調査したのが、高千穂町に住む写真家の栗原智昭さんです。


(高千穂町在住・写真家 栗原智昭さん)
「なにかがいると思ってます。それがツキノワグマなのか、ましてや昔からいるやつの生き残りなのかはわかりません」

クマの姿は撮影できなかったものの、目撃したといううわさは、近年もあると言います。

いまも県内にクマはいるのか・・・

高千穂町では、昭和16年に狩猟でクマをとったという記録があり、栗原さんによると、昭和30年ごろまでクマがいたという話が残っていたといいます。

実際、町内には、クマの手の剥製や霊を鎮める熊塚が残っています。

いまも県内にクマはいるのでしょうか・・・

(写真家 栗原智昭さん)
「どう考えても、ほかの動物では説明できない目撃情報がたくさんある。やはりクマ類の何かだろうと思えるものが複数でてくるとなると、やっぱり、これは何かいるとしか考えようがない」

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