応援する自治体の特産品などが「お得」に手に入ると、注目が高まるふるさと納税は、ほとんどが12月に申請されるといいます。まさにいま「駆け込み申請」のピーク。受け付ける市町や商品を出荷する業者は、年末年始返上で対応に追われています。

山口県といえば「フグ」。皿の模様が透けて見えるほど、薄く引かれたフグが盛りつけられていきます。

長門市の「きらく」では毎年12月は、ふるさと納税の返礼品として全国へフグを出荷するため、ふだんは3人程度の職人の出勤を、10人程度に増やして対応していて、調理場は大忙しです。

Q記者
この時期って毎年こんな感じなんですか?
職人
「そうですね、毎年こんな感じです」

ふるさと納税の返礼品はその自治体内で生産や加工されたものなどに限られます。
ふるさと納税は自治体に寄付をすると、その寄付額から2000円を除いた金額が、払うべき税金から控除または、還付されるものです。その返礼品としてその自治体の特産品などが贈られてきます。さまざまな特産品などが楽しめるということで、関心が高まっています。

「きらく」では養殖から加工、発送まですべて自社で行っていて、商品価値や価格で大きな強みがあると言います。

きらく 白石迅取締役
「私も社長もそうなんですけど、職人の集まりというところで、20年以上の道の職人ばかりですので、その職人が一枚一枚仕上げてるっていうのが弊社の強みかなと思っております」

ふるさと納税の仲介サイトでは、フグの部門のランキングで常連となっています。こうした取り組みもあって長門市は、県内の納税額では下関市に次いで2位と健闘をみせています。

長門市では例年、1年間のふるさと納税の半分が12月に申請されます。担当する産業政策課は、年末は31日まで年始は3日から出勤して対応にあたります。

12月に申請が増えるのは、届いた源泉徴収票からシミュレーションすれば、いくらまでふるさと納税ができるかの目星がつくためです。

オンラインの受け付けであれば、31日が支払いなどの締め切りですが、控除などの申請が郵便で送られてくる場合は来月10日が手続きの締め切りで、例年400件前後が手作業での受け付けとなります。

「お得な制度」として定着しつつあるふるさと納税。市の担当者は「商品をきっかけにその自治体への愛着をもってほしい」と期待を寄せます。

長門市産業政策課 中田あゆみさん
「長門市はどこにあるのか、どうやっていくのかな?っていうところをどんどん思いをはせていただいて地域を支えてもらえればと」

ふるさと納税の本来の目的は地域への応援。受け取った返礼品から地域の思いをくみ取れば、また違ったうれしさも受け取れるのかもしれません。

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