シーズンごとに新しいデザインに替わるサッカーのユニホーム。捨てたり、タンスの肥やしになったりしているユニホームをリメイクしたファッションショーを大学生たちが企画しました。着ることのなくなったユニホームに新たな命を吹き込む取り組みです。

12月14日、上智大学四谷キャンパスで開かれたファッションショー。モデルが着用する衣装に使われているのは、サッカーのユニホームです。企画したのは、サッカーの新たな魅力の発信や社会貢献活動に取り組む学生団体「シャクル」です。

<リメイクを担当した東京家政大学の学生>
「ユニホームの肩の部分から首の部分にかけてキャミソールみたいな感じでフリルを使って。ここにもフリルを使って、かわいいガーリーな感じにした」

<着用した学生>
「ユニホームというと、かっこいい、クールな感じのイメージが強いと思うが、リメイクしていただいて、ガーリーな感じになって、普段から女子でも着られるというのが、すごくいいなと思った」

藤の花のデザインが特徴的なJ2藤枝MYFCの2023年シーズンユニホームはなんと、ギャザースカートになりました。

「シャクル」のメンバーのひとり静岡県藤枝市出身の長谷川陽大さん。小学1年生からサッカーを始めると、名門・藤枝東高校サッカー部でもプレー。10着ほどユニホームを持っていました。次第にサイズが合わなくなり、着れなくなったものが増える中、思い入れのあるユニホームを普段着に活用できないかと今回の企画を立ち上げました。

<「シャクル」長谷川陽大さん>
「自分自身たくさんユニホームを持っていて、小さな頃から大切にしていたユニホームを着れずにタンスの中にしまっていて、そういった声をたくさん聞いた。リメイクとか新しい提案をすればいいのではと思って、今回企画した」

海外のセレブが着始めてじわじわ人気に

日本総研の調査によると、2022年の日本で手放された服の量は、年間で約70万トン。そのうち、68%は可燃ごみ、不燃ごみとして捨てられているのが現状です。

<社会部 山本太朗記者>
「昔のサッカーのユニホームを再利用する動きは、スポーツ用品店でも進んでいます」

<スポーツショップアラジン 海野健多郎社長>
Q. どんなコーナー?
「こちらが各クラブや代表の1990年代から2010年代のレトロなユニホームを集めたコーナー。海外モノからJリーグ、日本代表」

静岡市清水区のスポーツ用品店「スポーツショップアラジン」では、2024年春から、1990年代から2010年代のレトロなユニホームを販売しています。

「最初、海外のセレブが着始めて、『ブロークコア』といって、スポーツのアイテムを取り入れるファッションがじわじわ人気が出てきて、今年の夏あたり、日本でも火が着いている」(海野社長)

使わなくなったユニホームを手放すのではなく、普段着として取り入れる新しいファッションのスタイルが日本でも広がり始めています。

「リメイクすることによって廃棄が減らせるとか、自分たちが伝えた内容が、またひとりひとりに広がっていって、大きな流れになるのを期待している」(長谷川さん)

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