2023年秋、大量発生したカメムシ、今年になっても、再び大群となって活動をしています。くさい臭いを発し、さらに農作物にも害を与えるカメムシですが、なぜ大量発生しているのでしょうか。人体や生活への影響はあるのでしょうか。そして、対処法はあるのでしょうか。

和歌山では過去10年で発生量が最多…一方で果樹などへの影響が懸念

 カメムシの発生数を調査している和歌山・みなべの観測地点では、過去10年で最大となるカメムシの発生量を記録しました。同様の調査をしている京都府病害虫防除所の浅井信一専門幹は「今年は4月にたくさん捕獲されている。これまでになかったこと。カメムシが早く出てくるということは、モモやウメなどの収穫が早い果樹に傷を与えてしまい商品価値がなくなるということが特に心配されます」などと話しています。

 カメムシは近畿のみならず、南関東や中国・四国地方でも大量発生しているため、農林水産省は農作物に大きな被害が出るおそれがあると注意を呼びかけています。

カメムシ対策グッズ…売り上げは例年の10倍に

 大量発生しているカメムシについて街中で聞きました、

 (街の人)
 「増えていますね。僕ら公園とかぶらぶらするからね。結構いてますね。そら絶滅してほしいですよ。こんなんおってもしょうがないからね」
 「うち9階なんですけど、やっぱりたまにいます。洗濯物についている。いや!もうくさいから!」

 大阪市淀川区にあるホームセンター「コーナン新大阪センイシティー店」でもカメムシ対策グッズがよく売れていて、売り上げは例年の10倍、現在は品薄状態が続いているということです。

カメムシはどんな生き物? 寿命は大体「1年」


 伊丹昆虫館の長島聖大学芸員によりますと、カメムシには1300~1500もの種類があり、新種も見つかっているとのこと。生活の中で目にするカメムシは、ほんの一部だということです。サイズの大きいものは分泌するくさい液体が多く、それなりに臭いもするということですが、今、大量発生しているカメムシは「ツヤアオカメムシ」と呼ばれるもので、鮮やかな緑色でツヤがあるのが特徴です。秋でないにもかかわらず、今異常に増えています。

 一般的なカメムシは夏に生まれ、秋に活動を始めます。その後、冬を越し、春を迎え産卵し、その後死んでしまいますが、大体寿命は1年ぐらいだということです。

なぜカメムシが増加? 大量のカメムシが越冬…ヒノキの実の豊作影響か

 2023年秋にカメムシは大量発生しました。その際に大量発生したカメムシは、冬を越える個体も多く、それらが今春になって産卵し、活動しているとみられています。

 そもそも、去年秋にカメムシが大量発生したのは、カメムシの幼虫が食べる『ヒノキ、スギの実が豊作だったから』とのこと。幼虫が実をたくさん食べたため、成虫になるカメムシも多かったとみられています。また、長島学芸員によりますと、降水量などの気候も影響し、年によって個体数に波があるとのこと。去年秋の大量発生が今も尾を引いているようです。

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