来年90歳を迎える世界最高齢の女子クロスカントリースキーヤー、佐伯克美さん。ことしも大好きな立山でシーズンインを果たしました。一日一日を大切に生き、90歳でのギネス記録更新を目指します。
トレーナー
「でかいです。今度これ35キロ」「まっすぐ体。姿勢をよくして、重たくなってきているから、姿勢が悪くなると難しいですね。1、2、」
魚津市の佐伯克美さん、89歳。
トレーナー
「素晴らしい」「やっぱり重たい?」
女子クロスカントリースキーヤー 佐伯克美さん「楽しいわよ」
週に5日、ジムでトレーニングをするのが日課。
世界最高齢の女子クロスカントリースキーヤーの佐伯さは現役…
「おめでとうございます」
87歳の時、世界最高齢の女子クロスカントリースキーヤーとしてギネスに認定された。
佐伯克美さん
「私にとって1日1日が大切です。大事。今日をどう生きるか、明日をどう過ごすか。その続きに来年があると思っています」
きのうと同じきょう。きのうと同じあすを生きる。そのために、ちょっと前を向いて、一歩ずつ。それが佐伯さんのモットー。
佐伯克美さん
「基本的な体力はどこかで落ちていると思うけど、やっぱり滑れる体を自分で頑張って維持しているから…」
毎年シーズンインは、立山で…
佐伯克美さん
「うれしいね~。は~うれしい滑れる。ことしもまた滑れる。ありがたい」
このあと、3月の全日本マスターズで完走し、89歳でギネス記録を更新するのが目標。ところが…
佐伯克美さん
「ポカっとした感じ。ポカ―っと穴が開いたっていうか」「若い子の1年ってね。ことしがダメなら来年、再来年があるのよ。でも私にはね、来年があるかわかるか…」
ちょっと前を向いて、一歩ずつ。
「お尻をこっちに乗せる」
佐伯克美さん
「こうじゃなくて、こうするんだ。こうだ」「お尻、お尻、お尻。こうじゃないのよ。こうなのよ。意識している」「お尻~お尻~」
2024年4月…
「ついて来れる人、一緒に走ろう…」
佐伯克美さん
「僧ヶ岳の美しさ、おー、よしよし」
「熱いとね。人間負けるんだわ…」
佐伯克美さん「はーい、いきまーす」
記者「きついですか?」
佐伯克美さん「きつい、きつい」
記者「きついですよねー。足がパンパンなんですけど…」
記者「あ、塩飴…ありがとうございます。助かります」
「息づかい」
「ついたー、到着です」
佐伯克美さん
「6キロメートルを56分。これで私の一番いいタイム、一番いい走り方」
記者「どうですかー?」
佐伯克美さん「おったよ」
記者「どこですか?」
佐伯克美さん
「おったけどー、うまいこと寄ってきてくれるかどうか」「来た来た来たよー、あれ、どこいった?」「いきまーす」「は、は、は」
捕まえたのは…旅する蝶「アサギマダラ」。
これまでに朝日町から台湾まで、2300キロ移動したのが、確認されている。小さな体で海を越え、雨風にも負けず飛び続ける。
佐伯さんはそんなアサギマダラの虜になり、20年以上移動調査に携わっている。
佐伯克美さん
「はーい、頑張ってくれよー」「川縁さんやってみる?」
記者「いいんですか?」
佐伯克美さん「そーっと横に振って」「入った?」
記者「入りました?」
佐伯克美さん「入った!すごいじゃん」
佐伯克美さん「川縁さんが捕まえた第一頭目です」
佐伯さんと長年、アサギマダラの調査を続けている藤篠好夫さん。
アサギマダラを調査している 藤篠好夫さん「(アサギマダラの)本当の生態は解明されていないんですけど、蝶々の生態よりも克美さんの生態の方に私…興味があるので」
「おっはよ」
佐伯克美さん「膝が痛い。上手く曲がらん」
自分の体と向き合いながらトレーニング。
トレーナー
「とうとう3月で大台の90に乗るからね」
佐伯克美さん「そうです」「90歳ですよー、90歳。」「動けるのかねー」
「1.2.3.4」
この時期の立山にしては、ことしは積雪が少なく、シーズンインが遅れていた佐伯さん。
佐伯克美さん
「半年スキーしていないということは、本当にスキーができるかという不安がある。だから早く(スキー板に)乗ってみたい。本当に乗れるのか…」
そして…去年より遅れること10日。立山に佐伯さんの姿があった…
女子クロスカントリースキーヤー 佐伯克美さん
「今年の冬初めて滑りました。ありがとう~」
2025年年3月3日に90歳となる佐伯さん。3月12日から開催される全日本マスターズで完走し、90歳でのギネス記録更新となるか。佐伯さんは、一歩一歩、歩み続ける。
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