◆民間の出資比率は2% 実態は「国の丸抱え」
国交省とJOINが公表した経営改善計画
「徹底した改革を行うことをもって、JOINの存続を認めることにした」。JOINを所管する国土交通省の有識者委は、12日に公表した最終報告書でこう結論づけた。 JOINは2014年、海外でのインフラ事業を手がける企業の支援を目的に官民の共同出資で設立された。インフラ輸出を成長戦略に掲げた第2次安倍晋三政権の時代だ。 「官民」というものの、民間の出資比率は約2%にとどまる。実態はほぼ国の丸抱えで、国側の出資は財務省が管理する「産業投資」の資金などが充てられている。設立以来、交通や都市開発など、海外のインフラ事業44件に計約2561億円を投融資してきた。◆赤字は累積955億円 今後は「高リスク国投資を制限」
JOINは今年6月、2023年度決算を公表し、約799億円の損失を計上。累積赤字は約955億円に上っていた。米テキサス州の高速鉄道やブラジルのリオデジャネイロ近郊の鉄道、ミャンマーでの都市開発の事業などが軒並み赤字となった。一般廃棄物から航空機向け代替ジェット燃料を製造する米国の事業では、ベンチャー企業への投資で赤字を出した。 巨額損失を受け、国交省は8月に有識者委を設置。7回の会合を開き、JOINの存廃も含め議論した。 最終報告書はJOINについて、政策的意義の一方で経済的合理性の面で大きな課題があると指摘。存続の条件として「リスクの高い国への投資や1件当たりの投資に上限割合を設定」「ベンチャー投資を当面控える」「損失計上などについて早期の説明」といった改革を挙げた。外部有識者を交えた5年ごとの組織の見直しも求めた。◆ファンド側に「第三者の目を入れて」と注文
報道陣への説明で、委員長の土居丈朗・慶応大教授(財政学)は「JOINと国交省は、必要な対応が着実に行われるかの確認のため、第三者の目を入れたフォローアップをしてもらいたい」と注文した。 最終報告書を受け、国交省とJOINは12日、経営改善計画を発表し、報道陣に説明した。 「投資1件当たりの上限割合をブラジル、バングラデシュなど高リスク国はJOINの総資産額(2034億円)の2.5%、中・低リスク国は5%とする」「体制を整えるまでの間、ベンチャーへの投資は停止」などと最終報告書に沿った改善策を提示。収益を上げている案件が多い都市開発や物流の分野に投資を重点化し、「遅くとも2049年度の累積損失解消を目指す」とした。◆経営陣は責任の取り方を問われると…
巨額損失は有識者委の最終報告書で「由々しき事態」と表された。JOIN経営陣は責任をとらないのか。 報道陣への説明で、JOINの細見健一代表取締役専務は「改善、改革をしっかり進めることで、経営責任を果たしていきたい。それが最大の責務だとご指導をいただいている」と、国交省との距離の近さをみせつつ、かわした。有識者委の最終報告書
有識者委の最終報告書について、アジアの開発問題に取り組むNPO法人「メコン・ウォッチ」の木口由香事務局長は「そもそも検証内容に不備がある」と指摘する。◆ミャンマー軍政に賃料が入る事業
JOINはミャンマーの最大都市ヤンゴンでの3件の都市開発事業で計約179億円の損失を出した。2021年2月に国軍によるクーデターが発生した後、事業は停止している。メコン・ウォッチはこのうち、約109億円の損失を出した「Yコンプレックス事業」を特に問題視する。軍事博物館跡地に複合施設を建設する事業で「土地の賃料が兵站(へいたん)局に入り、市民に残虐行為を続ける軍を利する」と批判し、撤退を求めてきた。 有識者委でこの事業などの人権面の検証はなかった。土居委員長は...残り 1346/3031 文字
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