子どもたちの活字離れや、読書離れが叫ばれる中、塩尻市には休み時間になると、図書館に行列ができる小学校があります。
その人気の秘密とは?
「♪キーンコーンカーンコーン」
塩尻市の吉田小学校。
休み時間、子どもたちが向かうのが…、
図書館です。
本を借りる児童、返す児童、その対応をする図書委員で館内は大賑わい。
廊下には行列もできるほどです。
12月4日から17日まで行われている「冬の読書旬間」の一コマ。
吉田小学校では連日、全校児童の7割に当たるおよそ350人が図書館を利用し、貸し出す本が1日に1000冊を超える日もあるそうです。
女子児童:
「指輪がくれたプレゼントって本を借りました。タイトルからして面白そうで、なんかずっと気になってたからやっと借りられて。今の学年だと200冊ぐらい(借りた)。毎日通ってる、好きだから」
男子児童:
「夏目漱石の本借りようかなって。やっぱ歴史上の人物なので、しっかり知っておかないとなと思って」
女子児童:
「コナン君と絶体絶命っていう本。ミステリーとかだったらワクワクしながら最後のほう読んでると、へーそうなんだと分かって楽しいです」
図書館の人気の秘密が、読書旬間中に本を借りることで「ビンゴ」や「パズル」に挑戦できるという企画です。
「読書ビンゴ」は、学年ごとに、9つのマスに書かれた「歴史や伝記」、「SDGs」といったジャンルの本を読むたびにスタンプがもらえる仕組み。
日頃手にしない本も読んでほしいという狙いで、ビンゴを達成すると、決められた冊数より1冊多く借りることができるチケットがもらえます。
「読書パズル」は、本を借りるごとにピースをひとつもらえ、それを、クラスごと用意された台紙に貼っていきます。
完成すると全校で一つの絵本が出来あがる仕組みで、クラスでの達成を目指します。
ゲーム感覚で本に親しんでほしいとイベントを企画したのが学校司書の山下奈巳(やました・なみ)さんです。
学校司書 山下奈巳さん:
「今はゲームもありますし、サブスクもあって、いつでも好きなものに触れられるので、読書も余暇時間の選択肢の一つに入れないと、わざわざ時間を作って読まないとできないコンテンツだと思うんですよ。お祭り的な読書旬間で、楽しみながら、さらにいろんな本に親しんでほしいなと思って推進しています」
こうした取り組みもあって日頃から本を借りる児童が多いといいます。
学校司書 山下奈巳さん:
「予約という制度をとっておりまして、大規模校ですので、続き物はなかなか順番が回ってこないんで、予約が年間1000件を超えるんです」
先生や職員が手作りのポスターで、おススメの本を紹介するなど、学校全体で読書活動を盛り上げていることが評価され、今年度、県内で唯一「子供の読書活動優秀実践校」の文部科学大臣表彰を受けました。
山下さんは、面白い本だけでなく、困った時やつらい時に支えてくれる本もあり、図書館が子どもたちの居場所になればと話します。
学校司書 山下奈巳さん:
「子どもたちの読み物も絵本から読み物に、読み物から科学読み物ですとか情報系の方に行って発展していってほしい気持ちもありまして、こんな本があるんだっていう気づきの場所にしてもらえたらと思っています」
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