食費や光熱費など、さまざまな値上がりが家計を直撃する中、中古品を扱う「リユース市場」が急成長しています。

リユース経済新聞の推計では、リユース市場の規模は2023年に3兆円を超え、10年で約2倍に拡大しています。「中古品を高く売る方法」を徹底調査します。

名古屋市に本社を置く「ゲオHD」は、リユース専門店「セカンドストリート」などを手がけるリユース業界で売り上げトップの企業です(2024年3月期)。

ゲオHD 広報・中川稜さんは、リユース市場の急成長の背景には、物価高、円安に伴い、消費者の節約意識が高まったことにあると分析します。

記者の10年前のスキーブーツ いくらで売れる?

愛知県小牧市の「セカンドアウトドア 小牧常普請店」は、ゲオが手がける中古のスポーツ ・アウトドア用品を扱う専門店。

この時季、力を入れているのは、スキーやスノーボードなどのウインタースポーツ。本格的なシーズンを前に、徐々に売り場を広げています。

今回はCBCテレビの記者が、要らなくなったスキーブーツを持ち込み、買い取ってもらうことに。

最新モデルなら5万円以上ですが、今回持ち込んだのは約10年前に販売されたもので傷もあります。査定の結果、2600円の値が付きました。

担当者によると、ぶつけてしまった跡などはあったが、使用するには差し支えない状態とのこと。

スキーやスノーボードに限らず、冬服や暖房家電は今が売り時。12月までに売ると、高値がつきやすいそうです。

(ゲオHD広報・中川稜さん)
「要らないと思ったら、すぐに売るのがいい。家電などが特にそうだが、年式が古くなると価格が下がっていく」

年末は、大掃除で出た不要品を持ち込む人で混雑するため、少し早めに売るのがおすすめです。

時計は「箱・保証書」の有無、 金製品は「重さ」が高価買い取りの決め手

名古屋発のリユース企業「コメ兵」は、主に中古ブランド品を扱っています。

2024年11月には、松坂屋やパルコを運営する「J.フロントリテイリング」と、中古ブランド品を買い取る新会社の設立を発表。百貨店の中に出店し、ブランド品の買い取りを強化します。

(コメ兵 広報・田口玲子さん)
「最近、金の高騰などもあって、ジュエリー、宝飾品を持ち込む人が、秋から劇的に増えている」

この日も、買い取りセンターには続々とお客さんが。

亡くなった母の遺品整理をしに来たという70代の男性が持ってきたのは、腕時計、ジュエリー、財布など。

未使用のカルティエの財布は、5000円の査定。ピアス、タイピン、指輪のジュエリーは、3点で4万3000円。

担当者によると、ピアスは18金で、金の価格高騰もあり、しっかり値段をつけられるとのこと。

初めて中古品を売りに来たという60代の女性が持ってきたのは、使わなくなった指輪。査定結果は、7つで24万5000円。

担当者によると、ジュエリーで重要なのは材質とのこと。金の純度や重さなどで値段が決まり、宝石によっては値段が付かないものもあるのだとか。

(コメ兵 ブランドバッグ担当・高澤龍二さん)
「時計に関しては、箱・保証書の有無で買い取り金額に差がついてしまう。金製品は、重さで量っていくので、切れているネックレスや片耳のピアスでも買い取りできる」

AIによる鑑定で時短、より正確に本物かどうかをチェック

ブランド品を扱うコメ兵にとって、最大の敵は偽物。愛知県内にあるコメ兵の商品センターには、全国の店舗で買い取った商品に加え、宅配で届いた買い取りを希望する商品が集まります。

10月には、買い取りを希望するブランド品が1500件以上届いたそうです。買い取りの時にも鑑定はしていますが、売り物にする前に、最終チェックを行います。

鑑定には、AIを使用。AIによる鑑定は、カメラでバッグの表面や裏地、縫い目などを撮影。縫製の具合などを、拡大してより細かく見ていきます。

これらを登録していくと、AIが過去のデータベースから、本物かどうか判定します。所要時間は約2秒。精度は、ブランドによりますが最大99%以上とのこと。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。