新潟県 三条市といえば『ものづくりのまち』ですが、今回注目するのはものづくりで出た廃棄物を資源としてリサイクルしている会社です。「ごみという概念はない」、そんな先代の思いを引き継いだ若手社長が描く循環型社会の形とは?

三条市のリサイクル会社 北興商事(ほっこうしょうじ)です。

金属加工業が盛んな三条市。その製造過程で出る金属くずをはじめ木材やプラスチック、さらには家庭から出る空き缶や大型家具などあらゆる廃棄物がここに集まってきます。

【北興商事 中村信太 社長】「うちの取扱量としては1日だいたい50~60トンくらい」

北興商事の中村信太 社長。去年、父親の後を継ぎ30歳の若さで社長に就任しました。
会社の理念は…「捨てるという概念を捨てろ」。

【北興商事 中村信太 社長】「もともとごみという概念がないと父からずっと聞いていて、ごみじゃなくて資源として地球にまた戻す」

その理念を象徴しているのがこちらの地球儀。青い海を表現したガラスや…大陸に見立てた木材、そして枠に使われた鉄も全てここに集まってきた廃棄物からつくられています。

【北興商事 中村信太 社長】「用が終わったり、そこから外れたものは基本的に『不要物=ごみ』っていう捉え方をされているんですけど、元をたどれば地球から借りているもの、地球に帰さないといけないもの。そういった部分では本当に資源だと」

集められた廃棄物の多くは手作業で分別されています。手間も時間もかかりますが、「ごみ」ではなく限りある「資源」としてリサイクルするために欠かせない作業です。

さらに、会社の取り組みをより身近なもので発信しようと作り始めたのが…
こちらのコースターです。

使われているのは県内各地から集まったペットボトルキャップ。色ごとに分けて細かく砕いたものを再利用して作っていますが、印刷部分が少しずつ異なるため一つとして同じものはない、絶妙なマーブル模様に仕上がります。このコースターは自社ブランドとして販売するほか、企業などのノベルティとしても展開していく予定です。

先ほどの地球儀にも、日本を表現した燕三条のカトラリーの周りに世界へ向かってコースターが広がっています。

【北興商事 中村信太 社長】「燕三条の地域ってものづくりがすごく発展していて、なおかつ品質が高い。プラスアルファで追加して環境にも特化してる地域っていうのをフォーカスされてこの地域が潤っていけば」

資源からものをつくり出し、その過程で出たものを資源として再生させる。そんな循環型社会の形をものづくりのまちから発信しています。

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