6年前に「紀州のドン・ファン」と呼ばれた資産家男性を殺害した罪に問われている元妻の裁判。12月12日午後に判決が言い渡されます。
資産家男性の不審な死から6年半あまり。遺産目当ての殺人か、それとも冤罪か。一貫して無罪を訴えてきた元妻についに判決が言い渡されます。
須藤早貴被告(28)は2018年、和歌山県田辺市で資産家の野崎幸助さん(当時77)に致死量の覚醒剤を何らかの方法で摂取させ殺害した罪に問われています。
一代で財を成した上、奔放な女性関係でも知られた野崎さんは2018年2月、55歳年下の須藤被告と結婚。しかし、そのわずか3か月後に不審な死を遂げます。死因は急性覚醒剤中毒でした。
警察は直接的な証拠が見つからない中、3年にわたる捜査の末、元妻の須藤被告を逮捕。死亡当日に長時間2人きりでいた点や、覚醒剤の密売人と接触していた点など、数々の状況証拠から須藤被告の犯行と判断したのです。
一方で須藤被告は今年9月、和歌山地裁で始まった裁判で無罪を主張。11月の被告人質問では…
(須藤早貴被告)「愛犬のイブが死んでから(野崎さんは)『死にたい』と言ってました。『もう自分も死んでしまいたい』と」
さらに覚醒剤については野崎さんから頼まれて購入したと主張しました。
(須藤早貴被告)「『ダメだから(=性的な満足を得られないから)覚醒剤を…』と言われました。『お金くれたらいいよ』と冗談で言ったら、バッグから20万円を出して渡してきました」
ただ、購入したものは野崎さんに偽物だと言われたと話しました。裁判では“恨み節”を見せる場面も…
(須藤早貴被告)「もうちょっと死に方を考えてほしかったというか、社長(野崎さん)があのタイミングで死んだせいで私は何年も人殺し扱いなので」
直接的な証拠を欠く中、状況証拠を積み上げて立証を目指した検察側に対し、事件性そのものを争い無罪を主張した被告側。裁判所はどんな判断を下すのか、判決言い渡しは12日午後1時40分に始まります。
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