将棋の藤井聡太八冠(21)が2日の叡王戦で伊藤匠七段(21)に連敗。タイトル独占が崩れるかもしれないピンチです。終盤でミスが出たようです。

(藤井聡太八冠 名古屋東急ホテル 中区・2日)
「参りました」

2日午後6時43分、叡王戦第3局が終局した瞬間です。対局場近となった名古屋東急ホテル近くの大盤解説会の会場(中電ホール 名古屋・東区)では、言葉を失った人たちも。

同学年対決の叡王戦。2日の藤井八冠は、珍しく落ち着かない様子。手にした扇子を落としたり…天を仰いだり…。駆けつけていた将棋ファンは、ほとんどが藤井八冠の勝利を予想していました。


(藤井八冠のファン)
Qもともと知り合い?
「いや、聡太君のおかげで。地域を越えて世代を超えて(共に応援)だよね」

アウェイの雰囲気漂う中。伊藤七段のファンも。

(伊藤七段のファン)
Q伊藤七段のどこが好き?
「すごく研究熱心なところとビジュアルも好き」

伊藤七段LOVE!女性は自作のアクリルスタンドやキーホルダー持参で勝利を願っていました。

両者1勝1敗で迎えた2日の第3局は藤井八冠の先手で始まり、中盤までは優勢でした。しかし、終盤に一気に形勢が逆転したのです。

(藤井八冠)
「(中盤から終盤にかけては)手段があってもおかしくない感じだったと思うので、そのあたりで間違えてしまったのは課題が残るところだった。かど番になってしまったが、やることは変わらないので、第4局もしっかり準備して頑張りたい」
とミスを認めた藤井八冠。

一方、146手で勝利した伊藤七段はこれで2勝1敗。「叡王」獲得に王手です。

(伊藤七段)
「課題が残る内容だったと思うので、しっかり振り返って(第4局に)臨みたい」

なぜ一気に形成が逆転?「受け間違えたというか、珍しく」

なぜ一気に形勢が逆転したのか?藤井八冠が子どもの頃に指導を仰いだことがある中山則男指導棋士六段に聞きました。

(大石邦彦アンカーマン)
「きのう午後6時に電話したとき、AIと違う予想そしていましたね」

(中山六段)
「(AI評価が)7対3のところから、その次の手が、藤井八冠が最善ではない手だった。受け間違えたというか、珍しく」

中山さんはAI予測とは逆で、伊藤七段に流れが変わっていく戦局を冷静に分析していました。

終局の瞬間、伊藤七段LOVEの女性の目には涙。大石アンカーマンが改めて思いを聞きました。

(伊藤七段のファン)
「藤井叡王が投了した瞬間、ほっとした気持ちで(涙が)バーッと。やっぱり勝ってもらえてうれしいなと。あと1勝で叡王奪取なので頑張ってほしい」

師匠の杉本八段「1つのミスを伊藤七段にとがめられた…」

そして藤井八冠の師匠、杉本昌隆八段に聞きました。

(大石アンカーマン)
「藤井八冠の敗因は?」
(杉本八段)
「終盤で1つミスが出てしまい、それを伊藤七段にとがめられてしまった」
(大石アンカーマン)
「かど番は初めてだと思うが?」
(杉本八段)
「周りの人も誰も見たことがない。本人も経験したことがないということで、今まで見たことがない藤井八冠の将棋が見られるかもしれない」


追い詰められた藤井八冠。大一番となる第4局は、5月31日、千葉県柏市で行われます。

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