今回の「記者なび」は小池記者とお伝えします。
小池)きょうは、「保育料の無償化」についてです。

国は3歳から5歳までを無料にしていて0歳から2歳は、住民税非課税世帯を除いて有料となっています。

私も2歳の子どもが保育園に通っていますけど、保育料を払っています。3歳以下の保育料無償化が待ちきれないという状況です。

小池)こうした中、東京都は昨年度から第2子以降の保育料を無償化。さらに第1子も無償化について小池都知事は来年9月からの開始を目指して検討を加速ときょうの都議会で答弁しました。

東京都はかなり手厚いですね。新潟県内の状況はどうなのでしょうか。
小池記者)
完全無償化としているところから、保育費以外の支援を行っている市町村など、人口や財政規模などによって支援に差が出ています。現状を取材しました。

県都 新潟市は独自で同じ園に通う第2子の保育料を4分の1に軽減するなどしていますが、完全無償化までは至っていません。

自治体によって差があることについて、新潟市民は…
【新潟市民は】「どうして差が出るかというのは、知りたいなと思いますね。県内であれば統一してもらった方がどこに住むかとなった時に選択肢が広がると思うし」

【新潟市民は】「(保育費は)けっこう厳しいですね。国が一括して管理して、そういうのを制定してもらえれば、自治体の方もやりやすいし」

県内では、出雲崎町と弥彦村が、すべての子どもを対象に保育料を無償にしています。

2020年度から完全無償化とした出雲崎町では変化も…。
【小木之城 保育園 原俊介 主任】「ここ最近は、そういったことの影響なのか、産休明けすぐに0歳児の段階から保育園に預けられるお子様が増えているかなという印象です」

この園では完全無償化以降、0歳~1歳での入園が9割以上を占めるようになりました。

【出雲崎町民は】「自分の地元がそういうふうに手厚いというのはすごくうれしい。パートタイムで働いているので、家計にはすごく優しいのかな」

【出雲崎町民は】「子どももやっぱり小さかったので、共働きというのがあまりできなかったので、自分だけの収入でこの保育園とかも通わせなくてはいけなかったんですけど、一番お金のかかる時に無償化してくれたのですごい助かっています」

人口およそ4000人の出雲崎町。0歳~5歳の子どもが88人いて、このうち国が無償化の対象にならない0歳~2歳の子どもが33人です。

昨年度、町が完全無償化にかけた予算はおよそ960万円で、単独のソフト事業としては最大規模だそうです。

それでも取り組むのは…
【出雲崎町 子ども未来室 寺尾勉 室長】「やはり子育て世帯の皆さんからは、本当に大好評をいただいているところです」

「またこの無償化だけでなく、総合的な支援を通じた中で転入者へのつながりがあればと思っています」

小池)子育て政策に力を入れている出雲崎町では2020年から2022年まで転出者より転入者が多くなるなど成果を上げています。

人の呼び込みでも大きな強みになっていると思います。県内自治体の保育料はどうなっているのでしょうか?

完全無償化となっているのは2つの自治体。また、一部を独自で無償化しているのはこちら。例えば、柏崎市では1歳と2歳児が無料です。この他、無償化まではいかなくても、条件によって保育料が安くなるよう補助している自治体や給食費など保育料とは別の支援に特化している自治体もあります。

小池)どの自治体も完全無償化に取り組みたいのは山々ですが、ネックは予算です。新潟市の昨年度の試算では、完全無償化には市の保育料の負担額が現在からプラス21億円、総額36億円ほどと、現在の2倍以上の負担となります。
また県によりますと、県が仮に県内の保育費を完全無償化しようとした場合、「試算はないが、何十億から何百億規模で予算がかかるのでは」ということです。

そのため、県や新潟市は国に全国一律での保育費の完全無償化を求めていて、自治体間で差が出ないよう国による制度設計が求められています。

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