京都市内の公園に設置されている“ある公衆トイレ”。約10年前から閉鎖されていて『開かずのトイレ』と化しています。公園を利用する子どもたちからは「開けてほしい」という声もあがっていますが、閉鎖の背景には“事情”がありました。
閑静な住宅街にある公園 公衆トイレがあるのに閉鎖されて使えない!
4月、満開の桜の木の下でのびのびと遊ぶ子どもたち。京都市南区にあるこの竹尻公園は閑静な住宅街にあり、放課後になると子どもたちの姿が絶えない憩いの場です。
(子ども)「おにごっこしたりドッジボールしたりして遊んでます。いっぱい桜も咲くし、遊具もいっぱいあるし楽しい」
(保護者)「子どもたちが集まりやすくて、(娘の)友達もここで大勢できた。ほぼ毎日ここに集合して遊んでいるので、ここに来たらみんないるみたいな感じ」
しかし、利用する子どもたちの間で“あること”が問題となっているといいます。
「ここの公園、トイレはそこにあるけど、使えなかった」
「(Q公園にトイレあるよね?)なんか知らんけど閉鎖中なんです。僕が初めて来たころから閉まっていました」
「(Qあそこにあるトイレって?)入れない!(Qなんで?)知らん!」
「(Q入ったことある?)ない」
公園にあるその「トイレ」の方に取材班が向かいます。
(記者リポート)「施錠されていて、こちらには閉鎖中と書かれています」
公園の一角にある一見どこにでもありそうなトイレにみえますが、建物には「閉鎖中」という張り紙が貼られ、放置されているためなのかトイレのマークも目を凝らさないと見えないほど薄くなっています。さらに、トイレの窓はなにがあったのか目張りまでされています。
「トイレを貸してほしい」近くの総菜店でトイレを借りる子どもたちの姿も
近所の人によりますと、10年ほど前からこの状態だということで、まさに『開かずのトイレ』。遊んでいる最中にトイレに行きたくなったらどうするのでしょうか。
(保護者)「上の子が今おむつをしていないから、ダッシュで家に帰って、トイレに行って戻ってくる」
(子ども)「(Qトイレに行きたいときは?)鍵持って、一回おうち帰って、トイレに行く」
(子ども)「(Qどこでトイレしてる?)近くの揚げ物屋さん」
道路を挟んで公園のすぐ向かいにある総菜店「Koselig」。この店では子どもたちからの「トイレを貸してほしい」という声を受けて、商品を購入したかどうかにかかわらず店内のトイレを貸し出しているといいます。
(Koselig 店主・西片麗子さん)「子どもたちがダーって『貸してください』って来るので、『いいよ』って。『あかんよ』っていってもそれは生理現象なので」
実際にどれほどの子どもたちがトイレを借りに来るのか。取材班が店内でカメラを向けてみると…
(子ども)「すみません、トイレ借りていいですか?」
(西片さん)「はい、どうぞ」
(子ども)「トイレ借りていいですか?」
(西片さん)「はい、どうぞ」
次々とトイレを借りに来る子どもたち。多いときには、営業時間中、1日で10人以上の子どもがトイレを求めて店にやって来るといいます。
(西片麗子さん)「ここがどんどん『使えるわ』ってなって、公衆トイレのようになってしまうとちょっと困ります。子ども多いし、親子連れも多いし、近隣の保育園の方もここに散歩に来るので、公園のトイレは空いているほうがいいのかなとは思います」
『開かずのトイレ』の中を見せてもらうと…
近くの店まで頭を悩ませる事態になっている『開かずのトイレ』。「トイレがあるのに使えない」という不思議な状況に公園を利用する人は…
「困りますよね、子どもが『すぐ行きたい』って言ったときに。急に言うし。トイレがあるんやしね、使いたい」
「すごく不便なんです。総菜店にみんないっちゃうと大変なので、負担がかかってしまうので、なんとか開けてほしいなと思っています」
「家まで持たんぞ。俺も危ないんだから、酔っぱらったら。使える施設をつくったなら活用しないとそれこそ無駄やと思う」
「早く開けてほしいです。使わへんのやったら邪魔やから撤去してほしい」
『開かずのトイレ』はそもそも使える状態なのか。取材班は管理する京都市に依頼し、中を見せてもらいました。
(記者リポート)「とくに気になるにおいなどもしません。1か月に1回は掃除をしているようですので、中は思ったよりきれいな印象です。とくに壊れている箇所などもないように見えます」
水も流れるだけでなく、毎月掃除もされるなど問題なく使える状態でした。それなのになぜ閉鎖されているのでしょうか。
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